気仙沼二郎

気仙沼二郎：リングと歌謡界を沸かせる異色のプロレスラー

気仙沼二郎（けせん ぬまじろう）は、1972年生まれの日本のプロレスラーであり、演歌歌手という異色の顔を持つ人物です。みちのくプロレスの旗揚げメンバーとして、個性的なキャラクターとパフォーマンスで観客を魅了し続けています。

プロレスラーとしての軌跡

1992年、みちのくプロレスのプレ旗揚げ戦で「米河 彰大」としてデビュー。その後、タイムスリップしてきた原人レスラー「ヨネ原人」としてブレイクを果たします。「クワッパ」の雄叫びや、ウィリー・ウィルキンスJr.との試合は、多くのファンにとって忘れられない名物となりました。L字台車に乗せられ、壁に激突させられるというお決まりの展開は、3桁を超える回数を記録しています。

ヨネ原人時代には、宮古市での試合後に行方不明となり、太平洋を泳いでメキシコにたどり着いたというコミカルなエピソードも生まれました（実際はメキシコ遠征）。メキシコ滞在中にスペイン語を習得したという設定が加わり、インタビューにスペイン語で答えるなど、キャラクターに深みが増しました。さらに、「日本語も少し修得」したという設定で、西和辞典を片手に日本語とスペイン語を混ぜてコメントする「スーパーヨネ現代人」としても活躍しました。

一度は頭部の負傷により引退しましたが、その後カムバック。つぼ原人との「原人コントラ原人」で敗れ再び姿を消したものの、演歌歌手「気仙沼二郎」として華麗なる復活を遂げました。デビュー曲「海の魂」をひっさげ、リング上で歌声を披露する異色のプロレスラーとして、新たなファン層を開拓しました。

カムバック後は、「みちのくプロレス若草杯」優勝、「みちのくトリオリーグ」優勝など、着実に実力を発揮。南野たけし、マンゴー福田、パイナップル華井と「気仙沼二郎とロス・サルセロス・ハポネセス」を結成し、連戦連勝を重ねました。

2005年には、同じく歌を歌いながら入場する佐藤秀、佐藤恵の「セーラー・ボーイズ」との間で、「歌コントラ歌」というユニークなコントラ・マッチを行い勝利。入場時の歌唱パフォーマンスを守り抜きました。

インディーサミットでは、ヨネ原人として一夜限りの復活を遂げ、往年のデルフィン軍団を彷彿とさせる演出で会場を沸かせました。デスマッチにも果敢に挑戦し、血まみれになりながらも「海の魂」を熱唱する姿は、観客の心を打ちました。

2012年には、ウルティモ・ドラゴンとの敗者改名マッチに敗れ、「ケッセン・ヌーマ・ジローラモ」に改名。その後、「気仙・沼ジローラモ」を経て、2014年に再び「気仙沼二郎」へと戻りました。

2015年には、東北ジュニアヘビー級王座を初戴冠。デビュー23年目にして初のシングル王座獲得となり、喜びを爆発させました。

2016年には、キングレコードからメジャーデビューCD「みちのくプロレス　俺の海～海の魂」が発売され、念願のメジャーデビューを果たしました。

リング外での活動

気仙沼二郎は、リング外でも多才な才能を発揮しています。入団時から一貫して営業の仕事に携わり、現在も営業部の一員として活躍しています。地元のラジオ番組では、みちのくプロレスのスポークスマンとして、団体の魅力を発信しています。

自身の曲である「俺の海」は、自身の体験をもとに作詞されており、過去の結婚と離婚についても赤裸々に歌われています。また、新潟県の風俗情報誌でコラムを連載するなど、幅広い分野で活躍しています。

プロレス興行の前説では、必ず歌謡ショーが行われるのが恒例となっており、みちのくプロレスならではのユニークなスタイルは、多くのファンに愛されています。

非公認ながら、ARABAKI ROCK FEST.に多数回出場しており、ロックファンからも支持を集めています。フジテレビの番組「めちゃ×2イケてるッ!」では、三中元克のプロレス入門企画で試験官を務めるなど、メディアへの露出も多数あります。

気仙沼二郎は、プロレスラー、演歌歌手、営業マンとして、多岐にわたる才能を発揮し、多くの人々に感動と笑顔を届けています。その唯一無二の存在感は、これからも多くのファンを魅了し続けることでしょう。

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