ウルティモ・ドラゴン

ウルティモ・ドラゴン：世界を魅了した覆面レスラーの軌跡

ウルティモ・ドラゴン。その名は、日本のプロレス界のみならず、アメリカやメキシコにおいても、高い知名度を誇る覆面レスラー、浅井嘉浩氏のリングネームである。1966年、愛知県名古屋市に生まれた彼は、小学校3年生の頃、アントニオ猪木と佐山サトルの試合を観戦したことがきっかけでプロレスに魅せられた。

新日本プロレスの入門テストを受けたものの、身長の詐称が発覚し不合格となるも、その熱い想いは関係者の目に留まった。その後、日本ボディビルセンター会長のもとで働きながら、山本小鉄氏の道場で鍛錬を積む。そこで出会ったUWAのカルロス・マイネスとの出会いが、彼の運命を大きく変える。メキシコへの渡航を熱望した浅井は、山本氏の尽力によりメキシコへと旅立ち、1987年5月13日、UWAアレナ・アフォシオンでプロレスラーとしてデビューした。

メキシコでの修練は、彼のレスリングスタイルの礎となった。メキシコ独特のルチャリブレを体得しつつ、日本のプロレス技術、そしてカンフーを融合させた独自のスタイルを確立。1988年には最年少記録でUWA世界ウェルター級王座を獲得するなど、華々しい活躍を見せた。

1991年、EMLLに移籍し、ウルティモ・ドラゴンとしてリングに上がる。同時期、WWFと業務提携していたSWSと契約し、日本での活動も開始。SWS崩壊後はWARに所属し、IWGPジュニアヘビー級王座を獲得するなど、日本のプロレスシーンでも存在感を示した。

その後、WCWに進出し、WCW世界TV王座、WCW世界クルーザー級王座を獲得。メキシコ、アメリカ、日本とグローバルに活躍する一方で、1997年にはメキシコにルチャドール養成学校「ウルティモ・ドラゴン・ジム」を設立。闘龍門を旗揚げし、多くの後進を育成した。その手腕は、後進育成の面でも高く評価されている。

WCWでの負傷により一時離脱を余儀なくされたが、2002年に現役復帰。WWEに参戦しレッスルマニア20に出場するなど、世界最高峰の舞台でもその実力を証明した。闘龍門JAPANをDRAGON GATEに改名、独立後は、みちのく[[プロレス]]にも参戦し、数々のタイトルを獲得。2代目ザ・タイガーとしても活動するなど、常に挑戦を続け、プロレスラーとしてのキャリアを着実に積み重ねた。

長年に渡る活躍が認められ、2017年にはメキシコでのデビュー30周年記念大会において、在メキシコ日本大使から在外公館公館長表彰を受賞。プロレスを通じた日墨親善への貢献も称えられた。2019年にはDRAGON GATEに入団。2024年にはメキシコ政府からプロレスを通じたメキシコ文化のPRへの貢献が評価され、表彰を受けた。

彼の得意技は、メキシコ仕込みのルチャリブレ殺法と、日本式のスープレックス、カンフーを基調としたキックの融合。代表的な技であるアサイ・ムーンサルトは、海外では「アサイ・ムーンサルト」として知られるなど、世界中にその名を轟かせた。アサイDDT、ラ・ケブラーダ、ドラゴン・シュタイナーなど、数々のオリジナル技も生み出し、後世のレスラー達にも多大な影響を与えている。

浅井嘉浩は、数々のタイトルを獲得しただけでなく、後進の育成、そしてプロレスを通じた国際交流にも尽力してきた。その功績は、日本のプロレス界のみならず、世界中に大きな足跡を残したと言えるだろう。彼の生涯は、情熱と努力の物語であり、プロレスラーとして、そして人として、多くの人々に刺激と感動を与え続けている。初代タイガーマスクである佐山サトルへの憧憬から始まった彼のプロレス人生は、まさに「究極の龍」と呼ぶに相応しい輝かしいものだった。

タイトル歴（抜粋）

IWGPジュニアヘビー級王座
UWA世界ウェルター級王座
WCW世界TV王座
WCWクルーザー級王座
NWA世界ミドル級王座
そして数々のタッグ王座など…

得意技（抜粋）

アサイ・ムーンサルト
アサイDDT
ラ・ケブラーダ
ドラゴン・シュタイナー

彼の功績は、獲得した数々のタイトルや得意技だけにはとどまらない。プロレスラーとして、そして教育者として、世界中の人々に影響を与え続けた、その人生の軌跡は、これからも語り継がれていくことだろう。

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