気分はもう戦争

漫画『気分はもう戦争』

『気分はもう戦争』は、矢作俊彦が原作、大友克洋が作画を手掛けた日本の漫画作品です。本作は1980年代に刊行されたもので、1982年には第13回星雲賞コミック部門を受賞し、漫画アクションにて連載され、アクションコミックスとして全1巻が発行されました。この漫画は、現実とフィクションが交錯する中で描かれる戦争の物語です。

ストーリーの概要

本作は架空の中ソ戦争を舞台に、日本人とアメリカ人から成る義勇兵の三人組がアフガニスタンから東方を目指して戦う物語です。メインストーリーでは、彼らの戦場での従軍記を描きつつ、オムニバス形式で様々な日本国民が「戦争」に直面するエピソードが交互に展開されます。1980年4月14日にソ連軍が中国に侵攻し中ソ戦争が始まると、三人はアフガン戦争からこの戦争に加わる決意を固めます。

物語の中心となる登場人物は、アメリカ人の「ボゥイ」、日本人の「ハチマキ」、そしてもう一人の日本人「めがね」です。彼らは様々な困難を乗り越え、「より日本に近い戦場」である満州地域での戦いを目指し、中国を横断することを決意します。

主な登場人物

• - ハチマキ: 日本人の右翼青年で、日々の戦争体験の中で成長していくキャラクターです。レバノンでの経験を経て、中ソ戦争に参戦し、自己のアイデンティティや戦争に対する考えを模索します。
• - めがね: ハチマキの仲間であり、左翼の過激派に属していた日本人。ハチマキに流されて戦争に参加し、敵と戦う姿勢を持っています。彼の過去の経験が、時に自らの内面との葛藤を引き起こします。
• - ボゥイ: アメリカ人の義勇兵で、自称ガンマン。ニューヨーク・ヤンキースのヘルメットを被り、ユーモアとともに戦場を生き抜く姿が描かれています。

敵と遭遇するエピソード

物語は三人組が遭遇する敵や仲間、様々なエピソードを通じて展開されます。たとえば、彼らは伝染病に苦しむ村の医者ハフィブラシィンと出会い、ソ連軍の占拠する村を解放するために手を組む場面が描かれます。また、宗玄将や清文人など、数々の敵キャラクターも登場し、彼らとの交流や対立を通じて、戦争の現実と人々の苦悩を浮き彫りにしていきます。

作品の受賞歴と続編

1982年に初版が発行されたこの漫画は、様々な媒体での評価を受け、後に新装版が2000年に発行されるなど、その影響力は続いています。また2002年には続編として『気分はもう戦争2.1』が発表されたが、ストーリーは未完のままとなっています。

更に2019年には『気分はもう戦争3（だったかも知れない）』が新作短編として発表され、2006年からは小説版も展開されるなど、その人気は衰えることがありません。特に、作品の中には当時の社会情勢が色濃く反映されており、読者に強いメッセージを届けています。

まとめ

『気分はもう戦争』は、戦争という過酷なテーマをユーモアとシリアスさの両面から描いた作品です。義勇兵たちの心の葛藤と成長、そして戦争がもたらす影響を通じて、読者へと重要なメッセージを投げかけています。

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