水のソルティレージュ

水のソルティレージュ

『水のソルティレージュ』は、漫画家わかつきめぐみ氏によって描かれた異色のファンタジー作品です。1990年に発表されましたが、単行本化はされていません。

概要

作者が連載作品『So What?』の終了後に手がけた中編作品で、雑誌掲載時は84ページでした。当初、作者は本作を単行本化する意欲を持っており、全面改稿による「完全版」の制作を計画していました。実際に増ページやネーム作業も行われましたが、残念ながら頓挫し、結果として本作は作者の雑誌掲載作の中で唯一、単行本化されていない作品となっています。

また、本作と同名の楽曲が、音楽ユニット「ZABADAK」によって発表されています。この楽曲は、漫画家・萩尾望都氏の作品『銀の三角』に影響を受けて制作されたアルバム『銀の三角』に収録されており、ノルウェーのバンド「Fra Lippo Lippi」の楽曲のカバーとともに収録されています。漫画と音楽、それぞれの世界で生まれた『水のソルティレージュ』というタイトルが、不思議な縁を感じさせます。

あらすじ

物語は、自らの存在意義に苦悩する二人の人物を中心に展開されます。一人は、生きていくために他者を食べなければならない宿命を背負った獣「豺虎（さいこ）」の天水（たかみ）。もう一人は、自らが存在する意味を問い続ける孤独な少女、翡翠（ひすい）。

二人はその特異な存在ゆえに、周囲から避けられ、孤立した日々を送っています。そんな満月の夜、彼らの額に異変が起こります。迷い込んだ他の豺虎の魂を示す「月病みの印」が現れたのです。この出来事をきっかけに、彼らの運命は大きく動き出すことになります。

関連情報

ZABADAK: 音楽ユニット。
銀の三角 (アルバム): ZABADAKのアルバム。
* 萩尾望都: 漫画家。『銀の三角』の作者。

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