わかつきめぐみ

わかつきめぐみ：日常を紡ぐ漫画家の軌跡

わかつきめぐみは、1963年2月6日生まれ、新潟県新潟市出身の漫画家です。現在は千葉県に在住し、A型の血液型を持っています。彼女の作品は、家族、友人、隣人といった身近な人々との「日常の絆の再構築」をテーマにしたものが多く、細い描線による独特の絵柄と、温かみのある視点で人間を描くことを得意としています。

デビューから現在まで

1982年、『LaLa』4月大増刊号に掲載された「春咲きハプニング」でデビュー。以降、白泉社の漫画雑誌『LaLa』、『LaLaスペシャルCindy』、『月刊メロディ』（現MELODY）などで作品を発表し続けています。1993年からは一時、講談社の『少女フレンド』、『Me』、『ザ・デザート』などでも執筆。1990年には、「So What?」で第21回星雲賞コミック部門を受賞しました。

漫画家を志したきっかけ

新潟市に生まれたわかつきめぐみは、父親の転勤で小学5年生の時に石川県金沢市へ転居。中学1年の夏、歯科医の待合室で手にした『別冊少女コミック』（小学館刊）に掲載されていた萩尾望都の「11人いる!」前編を読んだことがきっかけで、漫画を描き始めました。翌1978年からは「LaLaまんがスクール」への投稿を開始します。

高校在学中の1980年、「第29回LaLaまんがスクール」で8回目の投稿作が8位に入賞。かねてからファンレターを送っていた坂田靖子から電話を受け、入賞を機に担当編集者のアドバイスで坂田宅を訪問し、ネームの作り方を学んだそうです。高校卒業後、京都市在住時にデビューを果たしました。

影響を受けた作家たち

デビュー直後の一時期、かがみあきらに私淑し、初期の「トライアングル・プレイス」（1984年）から「So What?」（1986年-1989年）にかけて、絵柄やストーリーのテーマに強い影響が見られました。その後、寺田寅彦、夏目漱石、内田百閒などの文学者からも影響を受けています。また、音楽ユニットのムーンライダーズ、メトロファルス、ZABADAKなどのファンとしても知られています。

デジタルと無縁の生活

デビュー後まもなく父親の転勤で千葉県に転居し、出版社のある東京に近いことから定住。後年普及したパソコンやインターネットなどのデジタル家電とは無縁の暮らしを続けていることも、彼女の創作活動に影響を与えているのかもしれません。

2021年6月には、『わかつきめぐみ迷宮探訪』の出版を記念した原画展が東京・スパンアートギャラリーで開催され、多くのファンが訪れました。

主な作品

不協和音ラプソディ（1982-84年、白泉社）
ぱすてると〜ん通信（1982-87年、白泉社）
トライアングル・プレイス（1984年、白泉社）
月は東に日は西に（1985-86年、白泉社）
So What?（1986-89年、白泉社）
黄昏時鼎談（1987-90年、白泉社）
グレイテストな私達（1990-91年、白泉社）
ご近所の博物誌（1992-93年、白泉社）
夏藤さんちは今日もお天気（1993-94年、講談社）
ヨツジロさん（1995年、講談社）
きんぎんすなご -金銀砂子-（1996-97年、講談社）
言の葉遊学（1996-98年、白泉社）
夏目家の妙な人々（1998年、講談社）
ローズ・ガーデン（1999年、講談社）
ソコツネ・ポルカ（2000-01年、白泉社）
そらのひかり（2002年、白泉社）
Cotton Candy Cloudy（2003年、白泉社）
シシ12か月（2004-07年、白泉社）
夜のしっぽ（2006-08年、徳間書店『SF Japan』・白泉社文庫版『言の葉遊学・ご近所の博物誌』）
やにゃかさんぽ（2009年-2014年、白泉社）
ことことほとほと（2015年、白泉社）
お猫さまズ暮らし。（2017年- 白泉社e-net!連載中、白泉社）
* 古道具よろず屋日乗（2021年、白泉社『わかつきめぐみ迷宮探訪』）


わかつきめぐみの作品は、日常に潜む小さな幸せや温かさを丁寧に描き出し、読む人の心を優しく包み込みます。ぜひ手に取って、その魅力を体験してみてください。

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