水原紫苑

水原 紫苑について

水原 紫苑（みずはら しおん、1959年2月10日生まれ）は、日本の歌人として著名な存在であり、その作品は現代和歌界において重要な位置を占めています。彼女は、1989年に発表した第一歌集『びあんか』で現代歌人協会賞を受賞し、以降も数多くの歌集を刊行しており、その中には『客人』（1996年）、『くわんおん（観音）』（1999年）、『あかるたへ』（2004年）などがあります。水原の作風は、端正な古典文法を使った伝統的な和歌に根ざしており、「新古典派」と称されることもあります。

経歴

水原は神奈川県横浜市に生まれました。父親は陸軍士官学校を卒業した軍人であり、戦時中には皇居で勤務していました。彼女は神奈川県立横浜翠嵐高等学校を経て、早稲田大学第一文学部仏文科を卒業し、同大学院文学研究科で仏文学を専攻して修士課程を修了しています。1986年には「中部短歌会」に入会し、春日井建の指導のもとで短歌活動を始めました。

1987年には、その作品『しろがね』が第30回短歌研究新人賞の候補に選ばれました。1989年に『びあんか』を出版し、翌年には現代歌人協会賞を受賞しました。その後も彼女の作品は評価され続け、彼女は多くの文学賞を受賞しています。例えば、第3歌集『客人』で第1回駿河梅花文学賞を受賞し、第4歌集『くわんおん』では第10回河野愛子賞を受賞しました。さらには、2017年の短歌研究賞、2018年の紫式部文学賞、2020年の毎日芸術賞など、数々の栄誉を受けています。2023年には最新の歌集『快樂』で、迢空賞と前川佐美雄賞を受賞しました。

彼女の作品は、穂村弘や加藤治郎が属する「ニューウェーブ」と同じ世代に位置しますが、水原は古典的な和歌の形式を重視し、独自のスタイルを確立しています。紀野恵と同様に、新古典派としての評価を受けています。

メディア活動とその他の業績

水原は歌人としての活動に留まらず、テレビ番組にも出演しています。特に1999年から2000年にかけては、文化人女性へのインタビューを網羅した連載「美女論」を『太陽』で行いました。また、歌舞伎への愛着が知られ、これをテーマにしたエッセイも発表しています。さらに、小説を『すばる』にて発表するなど、その多才さが伺えます。

著書一覧

歌集

• - びあんか（1989年）
• - うたうら（1992年）
• - 客人（1997年）
• - くわんおん（1999年）
• - いろせ（2001年）
• - 世阿弥の墓（2003年）
• - あかるたへ（2004年）
• - さくらさねさし（2009年）
• - 武悪のひとへ（2011年）
• - びあんか｜うたうら【決定版】（2014年）
• - 光儀（すがた）（2015年）
• - えぴすとれー（2017年）
• - 如何なる花束にも無き花を（2020年）
• - 快楽（2022年）

エッセイ

• - 星の肉体（1995年）
• - 空ぞ忘れぬ（2000年）
• - うたものがたり（2001年）
• - 京都うたものがたり（2004年）
• - 歌舞伎ものがたり（2009年）
• - 桜は本当に美しいのか（2014年）
• - 百人一首 うたものがたり（2021年）

小説

• - 生き肌断ち（2010年）

終わりに

水原紫苑は、現代の日本において不朽の名作を生み出している歌人であり、多様なジャンルでの活動を通じて彼女の個性と視点を示しています。今後のさらなる活躍が期待される作家です。

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