水尻自子

水尻自子（みずしり よりこ）は、1984年生まれ、青森県十和田市出身の映像作家です。現在は東京を拠点に「シリプロ」を主宰し、アニメーション制作を中心に活動しています。

女子美術大学短期大学部、同大学芸術学部を卒業後、同大学短期大学部で助手を務めた後、独立。2009年に『レイナレイナ』（東京MX）で監督デビューを果たしました。

彼女の作品は、身体の一部をモチーフにすることが多く、独特な世界観と表現方法が特徴です。そのきっかけは、自身の名字である「水尻」に対するコンプレックスだったと言います。美大の卒業制作で、それまで描いてきた尻の作品群を教員に見せたところ、「アニメにでもすれば」というアドバイスを受け、アニメーションの道へ進むことになりました。

水尻の代表作の一つである『布団』は、第16回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞を受賞するなど、国内外で高い評価を得ました。また、『かまくら』は第17回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査委員会推薦作品に選出され、第64回ベルリン国際映画祭短編コンペティション部門にノミネートされています。

2021年には、短編アニメーション作品『不安な体』（英題：Anxious Body）が、第74回カンヌ国際映画祭監督週間のコンペティションに選出され、ワールドプレミアにて上映されました。この作品は、彼女の生まれ故郷である十和田市の十和田市現代美術館で開催された企画展のために制作されたものです。

2025年には、第75回ベルリン国際映画祭に出品した『普通の生活』で銀熊賞審査員賞を受賞。国際的な評価をさらに高めました。

彼女の作品は、手描きやコマ撮りアニメーションを中心に制作されており、その緻密な描写と独特な表現は、多くの人々を魅了しています。

主な受賞歴

2012年
2012年度ASK?映画祭大賞（受賞作品：「布団」）
シュトゥットガルト国際アニメーション映画祭特別賞（受賞作品：「布団」）
第11回ファントーシュ国際アニメーション映画祭国際コンペティション部門HIGH RISK賞（受賞作品：「布団」）
第14回広島国際アニメーションフェスティバル「木下蓮三賞」（受賞作品：「布団」）
第16回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞（受賞作品：「布団」）
2013年
第17回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査委員会推薦作品（受賞作品：「かまくら」）
2013年度CUTOUT FEST 最優秀エクスペリメンタル短編作品賞（受賞作品：「かまくら」）
2014年
第33回アニマ：ブリュッセル・カートゥーン&アニメーション国際映画祭 グランプリ（受賞作品：「布団」）
アルスエレクトロニカ・フェスティバル栄誉賞 （受賞作品：「布団」）
ザグレブ国際アニメーション映画祭審査員特別賞（受賞作品：「布団」）
2015年
第65回ベルリン国際映画祭短編コンペティション部門 正式出品（作品：「幕 Maku」）
2021年
第74回カンヌ国際映画祭監督週間コンペティション部門 選出（作品：「不安な体」）
2025年
第75回ベルリン国際映画祭銀熊賞審査員賞（Silver Bear Jury Prize）（作品：「普通の生活」）

作品収蔵

女子美術大学美術館（受賞作品：「Kappo（かっぽ）」（2007年、平成18年度女子美術大学美術館収蔵作品賞））

外部リンク

* Shiripro

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