水島の戦い

水島の戦い

水島の戦い（みずしまのたたかい）は、平安時代末期の治承・寿永の乱において、寿永2年（1183年）閏10月1日（11月17日）に備中国水島（現在の岡山県倉敷市玉島）で行われた海戦です。源義仲軍と平家軍が激突し、平家軍が勝利を収めました。この戦いは、源平合戦の流れを大きく左右する重要な戦いの一つとして知られています。

戦いの背景

当時、平家軍は讃岐の屋島を拠点としていました。源義仲は平家追討のため、1183年9月20日に都を出発し屋島方面へ進軍しました。しかし、四国へ渡る前に、水島付近で平家軍と衝突することになります。義仲軍は足利義清・義長兄弟、海野幸広らが率いていました。

戦闘の経過

平家軍は、軍船を連結して板を渡し、海上に陣を構築しました。両軍の船が接近し、白兵戦が始まるかと思われたその時、平家軍の弓兵が義仲軍に向けて矢を放ち、戦闘が開始されました。平家軍は、船に装備していた馬と共に海岸に泳ぎ着き、上陸作戦を展開しました。義仲軍は平家軍の巧みな戦術の前に苦戦を強いられ、多くの武将を失い、最終的に壊滅的な敗北を喫して京都へ敗走しました。

戦いの結果

この戦いで、義仲軍は足利義清・義長兄弟、海野幸広、高梨高信、仁科盛家といった多くの武将を失いました。一方、平家軍は勢力を回復し、再入京を企てて摂津福原まで戻り、その後の「一ノ谷の戦い」へと繋がっていきます。この戦いは、平家が勢力を盛り返すきっかけとなった出来事でした。

日食と戦術

水島の戦いの最中に、金環食が起こったことが記録されています。『源平盛衰記』などの資料によれば、この日食は95%ほど欠ける規模であったとされています。平家は公家として暦を作成する仕事をしていたため、日食が起こることを予測していたという説があり、この日食を戦術に利用した可能性も指摘されています。日食が戦況にどのような影響を与えたのかは定かではありませんが、平家が天文知識も駆使して戦ったという点で特筆すべき出来事と言えるでしょう。

まとめ

水島の戦いは、源平合戦の中でも特に興味深い戦いの一つです。平家軍の戦略的な優位性、日食という天文現象が関わった可能性など、多くの視点から考察することができます。この戦いの勝利によって平家は勢力を回復し、その後の源平合戦の展開に大きな影響を与えました。

関連項目

日本の合戦一覧
源平盛衰記

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