水島宏明

水島 宏明（みずしま ひろあき）

水島宏明氏は、1957年10月21日に札幌市で生まれた日本のジャーナリストおよびメディア研究者で、現在は上智大学文学部新聞学科の教授を務めています。彼は長年にわたりテレビプロデューサーやディレクターとしても活動してきました。特にテレビ報道、デジタルジャーナリズム、ドキュメンタリー制作、貧困報道を専門としています。

略歴

北海道札幌北高等学校を卒業後、1982年に東京大学法学部を卒業し、札幌テレビ放送（STV）でキャリアをスタートしました。その後、彼はNNNロンドン特派員（1988年～1992年）やベルリン支局長（1998年～2003年）として、国際的な報道にも携わります。

1987年には、札幌市で発生した「札幌母親餓死事件」を題材にしたドキュメンタリー番組『母さんが死んだ―生活保護の周辺』を制作しました。この作品は多くの賞を受賞し、同年のギャラクシー賞などの評価を受けるとともに、書籍化されてロングセラーとなりました。この事件は、保護制度における問題を浮き彫りにし、社会的な議論を喚起しました。

テレビディレクターとしての活動

水島さんは2003年から日本テレビに移籍し、ドキュメンタリー番組『NNNドキュメント』のチーフディレクターを務めました。ここで取り上げた「ネットカフェ難民」という新たな現象は、その後の報道や社会意識に大きな影響を与えました。この報道により彼は2007年に新語・流行語大賞にノミネートされ、全国的に認知されました。

教育者としての貢献

2012年に日本テレビを退職した後、法政大学社会学部メディア社会学科で教授としてのキャリアが始まりました。さらに2016年からは上智大学に転職し、テレビやインターネットに関するジャーナリズム論や貧困とメディアについて教えています。「ブラック企業大賞」の実行委員としても活躍しており、社会問題に対する広範な関与を示しています。

主な著作

水島氏は、多数の著作を手掛けており、代表作には『母さんが死んだ―しあわせ幻想の時代に』や『ネットカフェ難民と貧困ニッポン』があります。また、共著として他の著者と連名で『テレビはなぜおかしくなったのか』なども出版しています。彼の著作は、ジャーナリズムやメディアの問題点を鋭く指摘し、社会に強いメッセージを発信しています。

結論

水島宏明氏は、独自の視点を持つメディア研究者としてだけでなく、映像ジャーナリズムの重要な推進者でもあります。彼の作品や講義を通じて、メディアと社会の関係についての理解が深まることを期待したいです。

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