水源かん養保安林

水源かん養保安林について

水源かん養保安林とは、森林法第25条第1項第1号に定められた、水源涵養を目的とする保安林です。森林が持つ、樹木の樹冠や土壌による河川流量の調整機能を、特に水源地周辺で発揮させることを目指して指定されます。

特徴

広大な面積: 一つの流域で数百ヘクタールから数千ヘクタールにも及ぶ広大な面積で指定されることが一般的です。
林業による維持管理: 広大な面積を管理するため、林業を通じた森林の維持管理が前提とされています。そのため、過度な規制は設けられておらず、都道府県知事の許可を得れば、大規模な伐採も可能です。
規制の緩さ: 他の保安林と比較すると、規制が比較的緩い面があります。

指定と解除

民有林の水源かん養保安林の指定・解除は、農林水産大臣または都道府県知事の権限で行われます。ただし、都道府県知事の権限は、事実上、一級河川の流域以外の森林に限られます。一度指定されると、指定理由の消滅や公共事業への転用など、特別な理由がない限り解除はできません。

樹種

水源涵養の効果に関して、針葉樹と広葉樹の間で学術的な有意差は確認されていません。そのため、特定の樹種が用いられているわけではありません。かつては、林業を前提としてスギやヒノキがよく植えられていましたが、近年ではコスト削減や対外的なイメージ向上のため、広葉樹が用いられることも増えています。

関連情報

緑のダム: 森林の持つ保水機能をダムに例えた表現です。
多目的ダム: 治水、利水など複数の目的を持つダムのことです。
水源林: 水源の涵養を目的とする森林全般を指します。

水源かん養保安林は、私たちの生活を支える上で非常に重要な役割を担っています。森林の適切な管理と保護を通じて、豊かな水源を守り、持続可能な社会の実現を目指していく必要があります。

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