水無月 (初代神風型駆逐艦)

日本海軍 駆逐艦 水無月 (初代)

水無月（みなづき）は、かつて大日本帝国海軍に所属した駆逐艦の一隻です。初代神風型駆逐艦の27番艦として建造されました。後に睦月型駆逐艦にも同名の艦が存在するため、区別のために「水無月 (初代)」や「水無月I」などと表記されることがあります。

建造

本艦は、現在の三菱重工業長崎造船所の前身にあたる、三菱合資会社三菱造船所にて建造されました。その来歴は1905年（明治38年）7月12日に起工されたことに始まります。船体は翌年の1906年（明治39年）11月5日に進水し、同年12月20日に竣工を迎えました。また、一説には1907年（明治40年）2月14日に完成したとも伝えられています。建造時の船番は187番が付与されていました。

艦歴

竣工後、日本海軍の駆逐艦として運用が開始されました。長年にわたる任務遂行を経て、1924年（大正13年）12月1日には、艦の種別が駆逐艦から掃海艇へと変更されました。この類別変更に伴い、1928年（昭和3年）8月1日には艦名も改められ、「水無月」から「第十号掃海艇」となりました。

昭和期に入ると、本艦の海軍籍は抹消されることになります。1930年（昭和5年）6月1日をもって海軍から除籍され、公文書上では一時的に「廃駆逐艦第十号」と仮称されました。その直後の同年7月3日には正式に廃船として扱われることになりました。退役後の本艦は、1931年（昭和6年）5月28日に民間に売却され、最終的には高知県の沖合で人工漁礁として海中に沈められ、その役割を終えました。

歴代艦長・掃海艇長

本艦の指揮を執った歴代の艦長および掃海艇長は以下の通りです。氏名と階級は就任時のものです。情報は主に官報に基づいています。

駆逐艦長

東島 乙吉郎 少佐：1907年1月18日 - 1907年7月1日
加々良 乙比古 大尉：1907年7月1日 - 1907年9月28日
原 完二 大尉：1907年9月28日 - 1908年12月23日
石川 庄一郎 大尉：1908年12月23日 - 1909年2月1日
（兼）馬島 専之助 大尉：1909年2月1日 - 1909年12月1日
唐沢 忠祥 大尉：1909年12月1日 - 1910年7月16日
森田 但次 大尉：1910年7月16日 - 1911年4月17日
影浦 喜次郎 大尉：1911年4月17日 - 1913年8月10日
佐川 英夫 少佐：1913年8月10日 - 1914年3月23日
関谷 光平 大尉：1914年3月23日 - 1916年6月1日
小川 又喜 大尉：1916年6月1日 - 1916年12月1日
工藤 健次郎 大尉：1916年12月1日 - 1917年12月1日
高島田 政耕 大尉：1917年12月1日 - 1918年12月13日
（兼）影浦 喜次郎 中佐：1918年12月13日 - 不詳
（兼）堀内 宗平 中佐：不詳 - 1919年2月1日
（兼）影浦 喜次郎 中佐：1919年2月1日 - 1919年7月29日
佐野 哲 大尉：1919年7月29日 - 1921年1月20日
山下 深志 大尉：1921年1月20日 - 1922年3月20日
中原 達平 大尉：1922年3月20日 - 1922年7月1日
友成 佐市郎 大尉：1922年7月1日 - 1923年12月1日
佐々木 喜代治 大尉：不詳 - 1924年8月25日
広瀬 末人 大尉：1924年8月25日 - 1924年12月1日

掃海艇長

手束 五郎 大尉：1924年12月1日 - 1925年12月1日
成田 忠良 大尉：1925年12月1日 - 1927年11月15日
八木 九五 大尉：1927年11月15日 - 1928年12月10日
北村 昌幸 大尉：1928年12月10日 - 1929年11月1日
* （兼）上田 光治 大尉：1929年11月1日 - 1930年1月20日

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