水玉螢之丞

水玉 螢之丞について

水玉 螢之丞（みずたま けいのじょう）は、1959年5月3日に埼玉県浦和市で生まれ、本名は吉田けいといいます。彼女は日本の著名なイラストレーターであり、漫画家としても活動しました。彼女の家族は多才で、父は漫画家の岡部冬彦、兄は作家兼軍事評論家の岡部いさく、姉は挿絵画家兼漫画家のおかべりかです。このような家庭環境から、自然とクリエイティブな世界に身を置くようになりました。

彼女の作品は、主にSF小説の挿絵や漫画、コラムなどに見られ、特にポップアートスタイルが特徴です。彼女自身は「いさましいちびのイラストレーター」と自称し、明るくて親しみやすい作品を生み出しました。趣味としては釣りを楽しんでいたことも知られています。

経歴

水玉は専門学校を中退し、フリーターを経験したのち、一般企業に就職しましたが、11か月で失業しました。その後、自らフリーのイラストレーターとして活動を開始しました。彼女のキャリアの初期は、音楽雑誌『PLUM』『キーボードスペシャル』『ロッキンf』などでのインタビュー記事やコラム、イラストの執筆が中心でした。やがて、大森望によりSFファンとしての側面が評価され、『SFマガジン』で連載を持つようになりました。

彼女は数々の栄誉ある賞を受賞しました。特に、星雲賞アート部門では、第24回（1993年）、第26回（1995年）、第46回（2015年）にわたって受賞し、特に第46回については追贈を受けました。また、第47回（2016年）には『SFまで10000光年』『SFまで10万光年以上』という作品でノンフィクション部門を受賞しています。

水玉は2014年12月13日に肺がんにより東京で亡くなりました。享年55で、同年12月15日には彼女のTwitterアカウントから訃報が伝えられました。葬儀は故人の意向により、親族だけで執り行われました。彼女の作品への敬意を表して、2018年には「水玉螢之丞おしごといろいろ展」が東京古書会館で開催され、イラスト原稿や彼女に関連する資料などが展示されました。

主な作品

水玉 螢之丞の作品には多岐にわたる著書や連載があります。代表的な漫画作品には『こんなもんいかがっすかぁ』やその新装版『こんなもんいかがっすかぁ まるごと！』があります。また、『どんなもんありゃ〜すかぁ』や『水玉紳士録』などのコラムやイラストも著名です。さらに、SFマガジンでの連載『SFまで10000光年』や『SFまで10万光年以上』も評価されています。

彼女のイラストは、様々な書籍や雑誌の表紙に使用され、その色彩豊かなタッチや独特なスタイルで多くのファンを魅了しました。また、キャラクターデザインや原案としても多くの作品に関わり『ウルトラボックス第6号 水玉の恋愛模様講座』や『BRIGADOON まりんとメラン』など、その活動は多岐にわたります。彼女の作品は、今なお多くの人に愛され続けています。

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