水科七三郎

水科七三郎の生涯と業績

水科七三郎（1863年8月16日 - 1940年4月16日）は、明治時代に活躍した日本の統計家であり気象学者です。彼の仕事は主に統計分析と気象データの研究に集中し、日本の統計事業の向上に大いに寄与しました。

早年の経歴

水科は仙台藩士・水科穆郎の子として生まれ、1881年に仙台宮城中学校を卒業し、初めて統計学に関わる職に就きます。彼は1883年に上京し、1886年に杉亨二が設立した共立統計学校を卒業。その後、北海道庁根室支庁に勤務し、さらには道庁の地理課に配属されます。

彼の北海道庁での活動は特筆すべきもので、各地域の統計活動を支えたほか、講義を通じて統計知識の普及にも尽力しました。1887年には札幌区に統計学研究会が創設され、水科が講師を務めたことから、統計の普及活動に重要な役割を果たしました。特に、道庁の統計書の改善に関与し、実務担当者への指導を行うことで、地方における中央の統計学の考え方を普及させました。

台湾での事業

1898年に北海道庁を退職後、台湾総督府に勤務しました。水科は、台湾での第一次戸口調査を行うなど、殖民事業においても多岐にわたって活動します。台湾においては、1905年に国勢調査を行う計画の中で、先駆けて調査を実施し、台湾における近代的な統計調査制度を確立しました。これにより、台湾の人口や社会の実態を把握するためのデータが整備され、公正な視点から統計調査が行われる土台を築きました。

内地への帰還とその後

台湾から帰国後は、内閣臨時国政調査局に勤務。1920年には日本初の国勢調査にも協力しました。後に拓殖大学で統計学の講師としても活動し、教育に努めましたが、晩年は病気に悩まさられ、1940年に78歳で亡くなります。

業績

水科は、「氣象集誌」に多くの論文を発表し、気象学の発展にも寄与しました。彼の執筆した論文には、虹の成り立ち、雲の重要性、積雪の関係などがあり、気象学の基礎を築く一因となりました。また、彼が収集したデータは、北海道の気候を論じる材料ともなり、気象の理解を深める一助となりました。さらに、千島列島の調査においては、アイヌ語の気象関連用語116語のリストを作成するなど、多様な研究を行っています。

水科七三郎の功績は、当時の日本における統計と気象学の確立に貢献しただけでなく、日本の統計研究における基盤を築く重要な役割を果たしたと言えます。

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