水野敏雄

水野敏雄は、1893年に東京で生まれ、1981年に生涯を閉じた日本の教育学者です。彼の教育への貢献は多岐にわたり、特に島根大学の第4代学長としての業績は特筆されます。

水野は、1911年に第一高等学校に入学し、1914年には東京帝国大学文科大学哲学科へと進みました。哲学を学んだことが、彼の教育観にどのような影響を与えたのかは興味深い点です。1920年には山口高等学校（現在の山口大学）で教鞭を執り始め、その後、1927年には東京女子高等師範学校（現在のお茶の水女子大学）の教授に就任しました。これらの教育機関での経験が、彼の教育者としての基礎を築いたと言えるでしょう。

1937年、水野は文部省教学局指導部指導課長という要職に就任し、教育行政の中枢で活躍しました。しかし、第二次世界大戦後の混乱期には、1945年に岡崎高等師範学校（現在の名古屋大学教育学部）校長を務めた後、1950年に公職追放の処分を受けます。これは、当時の社会情勢を反映した出来事であり、水野にとっても大きな転換期となりました。

公職追放後、水野は日本育英会の理事、そして理事長を歴任し、教育の現場から離れてもなお、教育界への貢献を続けました。そして、1962年から1968年までの間、島根大学の学長として再び教育の最前線に戻り、大学運営に尽力しました。

水野敏雄の生涯は、激動の時代の中で教育に情熱を注ぎ続けた教育者の姿を私たちに示しています。彼の業績は、今日の教育界においても重要な示唆を与えてくれるでしょう。

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