水野繁

水野繁は、1929年9月16日に生まれ、2014年9月17日に亡くなった日本の官僚、実業家です。彼の経歴は、その多岐にわたる活躍を物語っています。

生い立ちと学歴

群馬県出身の水野は、幼少期に戦闘機乗りに憧れ、仙台陸軍幼年学校に進学しました。その後、東京大学に進み、1953年に法学部法律学科を卒業しました。この時の同期には、吉野良彦、大場智満、宮下創平、津島雄二、楢崎泰昌などがいます。

大蔵官僚としてのキャリア

大学卒業後、水野は大蔵省に入省し、銀行局検査部管理課に配属されました。その後、銀行局総務課を経て、近畿財務局にも勤務しました。1972年には、参事官として神戸証券取引所の争議解決に尽力しました。

理財局総務課長などを経て、1978年に大臣官房審議官（大臣官房担当）に就任。同年、近畿財務局長、再び大臣官房審議官を経て、1982年に証券局長に就任しました。1983年からは国税庁長官を務め、1985年に退官しました。

実業家としての転身

退官後、水野は実業界に転身し、1985年から1987年まで社団法人信託協会の副会長を務めました。その後、1987年6月に日本たばこ産業 (JT) の代表取締役副社長に就任し、翌1988年には代表取締役社長に昇格しました。社長在任中は、JTの株式上場を推進し、1994年までその職を務めました。

さらに、1996年9月には整理回収銀行（後の整理回収機構）の代表取締役社長に就任し、1999年までその任にあたりました。その後、同社の相談役、顧問として活躍しました。

教育分野への貢献

実業界での活躍と並行して、水野は教育分野にも貢献しました。1996年に学校法人東京経済大学の理事に就任し、2004年には国立大学法人に移行した政策研究大学院大学の理事にもなりました。2005年には東京経済大学の理事長に就任し、2008年までその任を務めました。

受章と晩年

2002年には、長年の税務行政への貢献が認められ、勲二等旭日重光章を受章しました。2014年9月17日、胸膜炎のため85歳で亡くなりました。また、財団法人日本国際協力システム理事（1989年 - 1995年）など、数多くの役職を歴任しました。

水野繁は、官僚、実業家、教育者として、日本の経済と社会に多大な貢献をした人物として、その名が記憶されています。

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