氷見郡

氷見郡について

氷見郡（ひみぐん）は、日本の富山県にかつて存在していた行政区画です。この郡は、1896年に行政区画として設立され、主に氷見市や高岡市の一部を含んでいました。郡の発足に至るまでの歴史については、江戸時代以前に遡ることができます。

郡の起源と歴史的な経緯

氷見郡の起源は、射水郡を二つに分け、その一方を俗称として名づけたことにあります。江戸時代初期には、加賀藩のもとで実際に射水郡から独立しましたが、1673年には再び射水郡に統合されました。1896年に再度分離の措置が取られ、氷見郡が正式に設立されました。

郡域の変遷

1896年4月1日、氷見郡は射水郡かつての区域から発足し、その際に太田村をはじめとする多くの村を含めた合計21の地域で構成されました。郡制が施行されたのは同年6月1日です。1923年には郡会が廃止されましたが、郡役所はその後も存続しました。1926年には郡役所も廃止され、以降は地域区分名称としての機能に移行します。

1940年には、加納村が氷見町に編入され、さらに10月1日には稲積村も氷見町に編入され、郡の区域は徐々に縮小していきました。1952年には氷見町が市制を施行し、氷見市として新たに形成されることで、郡から離脱しました。この段階で、郡の残りは14村となります。

その後も地域の統合が進み、1954年4月1日になんと11の村が氷見市に編入された結果、氷見郡は消滅しました。実に1896年以降、富山県内で初めての郡消滅の事例となりました。

行政と郡役所の役割

氷見郡役所は1902年に設置され、当初は氷見町の仕切町338にありました。郡会の廃止に伴い、1923年には廃止記念式典が行われ、その3年後には役所自体も機能を失いました。改めて庁舎はその後、富山県立氷見中学校に転用され、その後は図書館として利用されることになりました。残念ながら、1938年に氷見町大火によって図書館は全焼し、多くの資料が失われました。

まとめ

氷見郡は、その設立から消滅にかけて、地域の行政の枠組みとして重要な役割を果たしてきましたが、時代の変遷とともにその形を変えていきました。この郡の歴史を振り返ることは、富山県の地方行政の変遷を理解する上でも意義があるでしょう。

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