永原康史

永原 康史（ながはら やすひと）

永原康史は1955年に大阪で生まれ、グラフィックデザインおよびアートディレクションの分野で広く知られる日本のアーティストです。彼は多摩美術大学の教授として学生を指導しつつ、自身の創作活動にも積極的に取り組んでいます。京都市立芸術大学大学院での学びを経て、1983年には自身の事務所「株式会社永原康史事務所」を設立しました。

彼はグラフィックデザインの領域において、教育者やアーティスト、理論家として多彩な顔を持ち、特にタイポグラフィやデザインに関する研究が評価されています。2007年以降、モリサワのウェブサイトで連載「文字の手帖－文字を組む方法」を執筆し、また雑誌『Web Designing』における「デザインにできること」のコラムも長期にわたって提供しています。

経歴と職歴

永原は、岐阜県立国際情報科学芸術アカデミーで1997年から2007年まで教授を務め、その後は慶應義塾大学と情報科学芸術大学院大学での非常勤講師を経験しました。このように、彼の教育活動は多岐にわたります。

現在も多摩美術大学の情報デザイン学科で教授として教壇に立ち、学生たちに新たなデザインの可能性を探求させています。さらに、国際タイポグラフィ協会（ATypI）の会員として、国際的なデザイン界への貢献も行っています。

主な業績

彼のデザインは数多くの賞を受賞しており、1995年に東京都写真美術館で開催された「イマジネーションの表現」展では最優秀作品賞を受賞しました。2000年には「戦国博」でグッドデザイン賞を受賞し、2002年にはフィラデルフィア美術館での「本阿弥光悦マルチメディア展示プロジェクト」がMMCAマルチメディアグランプリで最優秀賞を獲得しました。

主な作品としては、愛知万博での「サイバー日本館」や、DNP五反田ビルの「秀英体展示室」があり、これらは日本のデザイン界における重要なプロジェクトとなっています。また、文化庁メディア芸術祭でも推薦作品として取り上げられるなど、その業績は広く知られています。

著書

永原は多くの著書を残しており、代表作には『デザイン・ウィズ・コンピュータ』や『日本語のデザイン』、さらには近年の『よむかたち　: デジタルとフィジカルをつなぐメディアデザインの実践』などがあります。また、共著にも数多く参加しており、デザインに関する理論を豊かに展開しています。

影響と家族

そのデザイン活動だけでなく、彼の家族もクリエイティブな道を歩んでおり、元妻である福井めぐみはフォークデュオ「杏」として活動しました。また、彼の娘である永原真夏もミュージシャンとして独自のキャリアを築いています。

永原康史氏は、グラフィックデザインとアートディレクションの分野に多大な影響を与えており、その取り組みは今後も続いていくことでしょう。

もう一度検索