永島譲二

永島譲二：国際的な自動車デザイナーの軌跡

永島譲二氏は、1955年東京生まれの自動車デザイナーであり、現在はドイツのミュンヘンを拠点に活躍しています。日本のデザインスクールで自動車デザインを学んだ後、才能と情熱を携え、世界的な自動車メーカーで数々の名車を世に送り出してきた人物です。

青年期の情熱と渡米

高校時代、デザイン雑誌に魅せられた永島氏は、東京の千駄ヶ谷にあるデザインスクールに通い始めました。その経験は、彼の人生を大きく変える転機となりました。武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業後、親戚を訪ねることを機に渡米。ミシガン州デトロイトのウェイン州立大学で工業デザインの修士号を取得しました。

欧州での活躍：オペル、ルノー、そしてBMW

1980年代初頭、永島氏はドイツの自動車メーカー、オペルに入社。コンセプトカーの開発に携わり、その才能を開花させ始めます。オペルでの経験を経て、彼はフランスへと渡り、ルノーに入社。当時、深刻な経営危機に瀕していたルノーにおいて、2万人を超える人員削減が行われる中、社長自ら厳選した25名の新規採用者の一人として選ばれました。この事実が、彼の卓越したデザイン能力の高さを物語っています。ルノーでは、サフランのデザインを担当しました。

その後、永島氏はBMWへと移籍。同社では、高級セダンとして名高い5シリーズ（E39型）や、スポーティなロードスターであるZ3ロードスターの外観デザインを手がけました。これらのモデルは、世界中で高い評価を受け、永島氏のデザインセンスと技術力の高さを証明するものです。BMWでの経験は、彼のキャリアの中でも特に重要な部分を占めています。洗練されたデザインと高い走行性能を両立させたこれらの車両は、永島氏のデザイン哲学を象徴する作品と言えます。

教育者としての顔

企業での活躍に加え、永島氏は教育にも力を注いでいます。2009年には京都精華大学デザイン学部、2015年には東京工科大学デザイン学部で客員教授を務め、後進の育成にも貢献しています。長年の経験で培った知識と技術を惜しみなく学生に伝え、未来の自動車デザイナーを育成する役割も担っています。

カーグラフィック誌連載

永島氏は、カーグラフィック誌で「名車の残像」という連載を持ち、その後単行本として出版されました。現在も同誌で「駄車・名車・古車 デザイナー的見解」を連載し、その深い造詣と独自の視点から自動車デザインの魅力を伝えています。これらの連載では、単なるデザインの解説にとどまらず、自動車の歴史や文化、そして社会との関わりについても触れ、読者に多角的な視点を与えています。

まとめ

永島譲二氏のキャリアは、国際的な舞台で活躍する日本人自動車デザイナーの成功物語です。オペル、ルノー、そしてBMWといった世界的な自動車メーカーでの経験、そして日本の大学での教育活動を通して、彼は常に自動車デザインの世界に貢献し続けています。彼の情熱と才能は、これからも多くの自動車愛好家やデザイナーたちに影響を与え続けることでしょう。彼の著作『ヨーロッパ自動車人生活』は、彼の経験と想いを深く理解する上で貴重な資料となっています。永島氏の今後の活躍にも期待が高まります。

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