永康 (柔然)

永康（えいこう）は、柔然の君主、受羅部真可汗（じゅらぶしんかがん）郁久閭予成（いくきゅうりょよせい）の治世で使用された元号です。

概要

『魏書』蠕蠕伝（ぜいしょ・じゅじゅでん）には、北魏の和平五年（464年）に柔然が永康元年と称したと記録されています。このため、従来は永康年間は464年から484年の間と見なされてきました。

しかし、トルファン出土の『妙法蓮華経』巻十題記に、永康五年を歳庚戌（470年）とする記述が見つかりました。これにより、王樹楠（おうじゅなん）は永康元年を歳丙午（466年）と推定しました。近年では、学界でもこの説が有力視されています。

この新たな発見は、柔然と北魏の関係史、そして当時の年代特定に重要な影響を与えています。元号の起算年を特定することは、周辺諸国との関係性をより正確に把握する上で不可欠です。

従来の説では、永康年間が464年から始まるとされていましたが、『妙法蓮華経』の記述により、2年遅れて466年に始まった可能性が浮上しました。このずれは、当時の政治情勢や文化交流に新たな解釈をもたらす可能性があります。

西暦・干支との対照表

※『魏書』蠕蠕伝に基づく対照です。

参考文献

『中国歴代年号考』李崇智（中華書局 2004年）

出典

『魏書』巻一百三・列伝第九十一 蠕蠕匈奴宇文莫槐徒何段就六眷高車伝・蠕蠕条
和平五年、吐賀真死、子予成立、号受羅部真可汗、魏言恵也。自称永康元年、率部侵塞、北鎮遊軍大破其衆。

関連項目

元号一覧 (中国)
* 他王朝の永康（曖昧さ回避）

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