永手町

永手町：神戸市灘区の静かな住宅街

兵庫県神戸市灘区に位置する永手町は、JR六甲道駅の北側に広がる落ち着いた住宅街です。一丁目から五丁目まであり、東は高羽川を挟んで弓木町、南はJR東海道本線沿いに深田町、西は稗原町、北西には森後町、そして北側には山手幹線を挟んで高徳町と隣接しています。東から西へと番号順に丁目が配置されているのが特徴です。

人口と世帯数

2020年10月1日現在の国勢調査によると、永手町には827世帯、1367人が居住しています。内訳は男性623人、女性744人です。郵便番号は657-0027です。

歴史：昭和初期の町誕生

永手町は、1932年（昭和7年）9月に、現在の灘区東部にあたる旧八幡字森後と中ノ通の一部を統合して誕生しました。比較的新しい町と言えるでしょう。

地名の由来：長い道の歴史

町名の由来は、古くから続く「長い道」にまつわる説が有力です。

『神戸の町名』によると、「永手」の「ナガテ」は「長い道」を意味し、「縄手（なわて）」と同じ意味で使われていると記されています。「縄手」は、測地のための幹線道路を指す言葉が転じたものだと、柳田國男は述べています。

江戸時代には、開墾を奨励する政策として、一定期間租税が免除される制度がありました。その免除期間終了後に実施される検地を「縄をうける」と言ったそうです。この「縄手」と同様に、「永手」も長い道路を意味する言葉として使われるようになったと考えられています。つまり、永手町は、古くから続く重要な道路沿いに発展してきた町であることを示唆していると言えるでしょう。

交通アクセス：JR六甲道駅至近

JR六甲道駅が町内に位置しており、交通アクセスは非常に便利です。駅周辺には商業施設も充実しており、生活利便性も高いエリアです。

まとめ：住みやすさと歴史が調和する街

永手町は、便利な立地と静かな住宅環境を兼ね備えた、住みやすい町です。歴史的な地名に由来する奥深い背景と、現代的な生活利便性を両立させた、魅力的な地域と言えるでしょう。周辺地域との繋がりも良好で、神戸市灘区の中でも特筆すべき存在感を示しています。 今後も、この地域の歴史と文化を大切に守りながら、発展していくことが期待されます。

参考文献

神戸史学会 編『神戸の町名 改訂版』神戸新聞総合出版センター、2007年。ISBN 978-4-343-00437-6
灘区役所広報相談課 編『灘区の町名』灘区役所広報相談課、1976年

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