永易将之

永易 将之（ながやす まさゆき）

永易将之は1942年1月1日、大阪府守口市に生まれ、プロ野球選手として投手としてのキャリアを築きました。彼の選手生活は、業界内のスキャンダルと共に多くの波乱がありました。特に、1970年に発覚した「黒い霧事件」での八百長の証言により、長い間プロ野球界から追放されることとなりました。

初期のキャリア

永易は大阪工業大学高等学校を卒業後、電電近畿に入社。1961年の都市対抗野球大阪大会に出場し、日本新薬戦でノーヒットノーランという偉業を成し遂げます。1962年には都市対抗野球大会で日本ビールとの試合に先発し、延長22回まで試合が進むという歴史的な瞬間を体験しました。試合は悲劇的にもサヨナラ本塁打で敗れましたが、永易が投げた270球は、2022年の時点でも都市対抗野球の最多投球記録として残っています。

当時、彼が対戦した日本ビールの先発[[投手]]は、後に中日ドラゴンズに入団する小川健太郎でした。両者は後の黒い霧事件に関連し、プロ野球界の不正行為に巻き込まれる形となりました。

1964年に東映フライヤーズに入団し、特に1965年には好成績を残しました。その年、彼は10勝3敗、防御率1.93という成績を収め、リーグの注目投手として脚光を浴びました。しかし、その後のキャリアは順調とは言えず、1967年にはわずか3試合の登板に終わり、球団から自由契約を通告されました。

黒い霧事件

1969年10月、永易は読売新聞と報知新聞に八百長行為を報じられ、球界に大きな波紋を呼び起こします。八百長の疑惑は、彼が南海ホークス戦での投球に対する態度から始まり、球団の調査によって次第に確信へと変わっていきました。最終的には、永易が暴力団に依頼されて試合を意図的に操作していたという証言により、彼は八百長を認めざるを得なくなります。

この騒動は、永易が故郷の札幌に逃れた後も続き、1970年に「黒い霧事件」として国会で取り上げられる事態にまで発展しました。彼の告白により他の選手たちも調査の対象となり、西鉄球団での八百長が明るみに出ることになります。

晩年とその後

八百長のために永易は1970年に永久追放され、以降は札幌でバーを経営して生計を立てることにしました。しかし、野球界に対する彼の影響は残り続け、また彼自身も公に顔を出すことはあまりありませんでした。永易は、2003年4月に61歳で病死したと報じられました。

彼の人生は、野球選手としての栄光と、八百長という汚名が交錯する波乱に満ちたものでした。プロ野球界の不正が明らかになったことは、その後のスポーツ界にとっても重要な教訓となっています。

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