永田稔

永田 稔

永田 稔（ながた みのる）氏は、1967年生まれの日本の人事・経営コンサルタントです。専門分野は、組織における人的資源管理と、グローバル化が進む現代において重要性を増している異文化マネジメントに多岐にわたります。現在、立命館大学大学院経営管理研究科の教授を務める傍ら、株式会社ヒトラボジェイピーの代表取締役、そしてWWFジャパン（世界自然保護基金）の理事としても活動しています。

経歴と人物

永田氏は神奈川県立平塚江南高等学校を卒業後、1990年に一橋大学社会学部で学びを終えました。卒業後、松下電器産業株式会社（現在のパナソニック株式会社）に入社し、人事部門で実務経験を積みました。この経験は、その後のコンサルティングキャリアにおいて、企業現場のリアルな課題を理解する上で貴重な財産となっています。

さらなる専門性の深化を目指し、1997年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校（UCLA）のアンダーソン経営大学院に留学。そこで経営学修士（MBA）の学位を取得しました。海外での学びは、その後の異文化マネジメントという専門分野を確立する基盤となったと考えられます。

MBA取得後は、世界的な経営コンサルティングファームであるマッキンゼー・アンド・カンパニーの日本支社に参画し、経営コンサルタントとして多岐にわたる企業の課題解決に貢献しました。その後、組織・人事コンサルティングを専門とするワトソンワイアット（現ウィリスタワーズワトソン）に移り、ディレクター兼組織人事コンサルティングチーム部門長として、組織変革や人材戦略に関するコンサルティングを主導しました。

2016年には、心理学者やITエンジニアといった異分野の専門家たちと共に、株式会社ヒトラボジェイピーを設立し、代表取締役に就任しました。この会社では、心理学的な知見や先進的な技術を応用した、新しい視点からの組織・人事コンサルティングを提供しています。

コンサルティング活動と並行して、アカデミアでの活動も積極的に行っています。早稲田大学大学院経営管理研究科人材マネジメントコースで非常勤講師を務めた後、2018年からは立命館大学大学院経営管理研究科の教授として、後進の指導にあたっています。大学では、長年にわたるコンサルティング経験と研究に基づき、人的資源管理、異文化マネジメントに関する専門教育を行っており、特に現代社会の課題である長時間労働や時間外労働の分析にも深く取り組んでいます。

また、社会貢献活動として、WWFジャパンの理事を務めるなど、幅広い分野でその知見を活かしています。

主な著書

永田氏は、組織や働くことに関する多くの著作を発表しており、多くの読者に影響を与えています。特に代表的なものとしては以下の書籍が挙げられます。

『不機嫌な職場』（高橋克徳, 河合太介, 渡部幹氏らと共著）講談社現代新書, 2008年 - この著作は新書大賞2009年で第8位に入賞し、広く注目を集めました。
『攻めのガバナンス』（西村康代氏らと共著）東洋経済新報社, 2015年
『リーダーシップの名著を読む』（共著）日経文庫, 2015年
『非合理な職場』日本経済新聞出版社, 2016年

これらの著作や多岐にわたる活動を通じて、永田稔氏は日本の組織や働き方の進化に貢献し続けています。

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