永遠の愛を誓って

『永遠の愛を誓って』は、1991年に出版されたノンフィクション作品です。白血病と闘いながら、恋人への変わらぬ愛を貫いた安積成美さんと、彼女を支え続けた恋人・藤保秀樹さんの実話を綴った感動的な物語です。

安積さんは兵庫県姫路市出身。高校時代はテニス部に所属し、生徒会役員だった藤保さんと交際を始めました。順調な交際を送っていましたが、安積さんは1986年、白血病と診断され、長期入院を余儀なくされます。藤保さんは大阪大学への進学が決まっていましたが、頻繁に姫路へ通い、安積さんを励まし続けました。

病気と闘う中で、安積さんは何度も再入院を繰り返します。苦しい闘病生活の中でも、藤保さんの愛、友人や家族、そして恩師の温かい支えに支えられ、彼女は何度か奇跡的な回復を見せます。全国模試で学年5位という成績を収め、東京大学進学の可能性も示唆されるほどでした。しかし、病状は次第に悪化し、1989年3月19日、安積さんは20歳の若さで亡くなりました。

本書は、安積さんと藤保さんが交わした約500通の手紙と、安積さんの母親の日記を基に構成されています。手紙には、二人の純粋な愛、病気に対する不安や葛藤、そして未来への希望などが赤裸々に綴られています。読み進めるうちに、二人の強い絆、そして周りの人々の深い愛情に胸を打たれることでしょう。

特に、安積さんが藤保さんへ送った最後の手紙には「永遠の愛を誓って」という言葉が記されており、本書のタイトルにもなっています。この言葉は、二人の揺るぎない愛の証であり、多くの読者に感動を与えました。

2004年には、映画化された『世界の中心で、愛をさけぶ』と比較され、再び注目を集めました。両作品とも、若くして命を落とす主人公と、彼女を愛し支え続けた恋人の物語という共通点があり、多くの読者や視聴者を感動の渦に巻き込みました。しかし、『永遠の愛を誓って』はフィクションではなく、実話に基づいた物語である点が大きな違いです。

本書は、単なる恋愛物語ではありません。病気と闘う人間の強さと、それを支える人々の愛の物語です。安積さんの生涯と、彼女を取り巻く人々の温かさ、そして二人の純粋な愛の軌跡をたどることで、人生の尊さや愛の大切さを改めて感じさせてくれるでしょう。

本書は、単行本、文庫本、漫画など様々な形で出版されており、多くの人々に読まれ続けています。安積さんの生きた証、そして二人の永遠の愛の物語は、これからも多くの人の心に響き続けることでしょう。

書籍情報は以下になります。

永遠の愛を誓って―二十歳で逝った成美さんの記録（1991年9月）-　単行本
JICC出版局　ISBN 479660197X
永遠の愛を誓って―二十歳で逝った成美さんの記録（1998年10月）-　文庫本
宝島社文庫　ISBN 4796614206
永遠の愛を誓って―PURE LOVE&PURE SOUL（2001年5月）-　漫画作品
講談社デザートコミックス　ISBN 978-4063411270
作画・有羽なぎさ
〈新装版〉永遠の愛を誓って（2004年5月27日）-　文庫本
* 宝島社文庫　ISBN 4796641165

もう一度検索