永遠の炎の滝

永遠の炎の滝とは

永遠の炎の滝（Eternal Flame Falls）は、アメリカ合衆国ニューヨーク州のチェスナット・リッジ・パーク内、シェール・クリーク保護区に位置する小さな滝です。その最大の特徴は、滝の裏にある小さな洞窟から天然ガスが漏れ出し、そのガスに火がつき、まるで滝の裏で炎が燃えているように見えることです。この炎は「永遠の炎」と呼ばれ、一年を通してほぼ見ることができますが、時には消えてしまうこともあります。

炎のメカニズム

滝の裏にある洞窟から漏れ出しているのは天然ガスです。このガスは、地中深くにあるラインストリート頁岩層から湧き出しています。頁岩は、有機物を多く含む堆積岩で、高温下で炭化水素に分解されることで天然ガスを生成しますが、永遠の炎の滝の地下にある頁岩は、通常のガス含有頁岩よりも低温で、比較的新しいものです。にもかかわらずガスが発生している理由は、まだ解明されていません。研究者たちは、低温でも頁岩を分解できる触媒のようなものが存在している可能性を指摘しています。

近年の状況

以前はあまり知られていなかったこの場所ですが、近年メディアで取り上げられることが増え、多くの観光客が訪れるようになりました。それに伴い、ゴミの増加、破壊行為、汚染、周辺の地形への影響といった問題も発生しています。一方で、この滝の人気が高まったことがきっかけで、近隣の森林地帯を開発してディスクゴルフコースを設置する計画が中止されたという良い影響もありました。

研究

2013年には、インディアナ大学ブルーミントン校とイタリア国立地球物理学火山学研究所の地質学者たちが、この滝の天然ガスについて研究を行いました。その結果、この滝から漏れ出ている天然ガスは、他の場所よりもエタンとプロパンの濃度が高いこと、1日に約1kgのメタンを放出していることがわかりました。また、ガスは地表から約400メートルの深さにあるラインストリート頁岩層に由来することも判明しています。この研究は、天然ガスがどのように大気中の温室効果ガスに寄与するかを理解する上で重要な役割を果たすと考えられています。

その他の情報

永遠の炎の滝は、環境保護活動家のブルース・カーシュナーの著書「Secret Places」と「What's Weird on Earth」にも掲載されています。


関連情報として、以下のようなものがあります。

永遠の炎：世界各地に見られる、自然現象によって燃え続ける炎。
ニューヨーク州の滝の一覧：ニューヨーク州には、他にも多くの滝があります。
地獄の門：トルクメニスタンにある、燃え続けるクレーター。
イジェン山：インドネシアにある、硫黄が燃える火山。
燃える山：オーストラリアにある、地下の石炭層が燃えている山。
セントラリア：アメリカ合衆国ペンシルベニア州にある、炭鉱火災が続く町。
ブレンネンダー・ベルク：ドイツにある、石炭層が燃えている丘。
ジャリア地区 (インド)：インドにある、炭鉱火災が続く地域。

外部リンク

* 永遠の炎の滝周辺のアクセスマップ（英語）

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