頁岩

頁岩（けつがん）について

頁岩は、堆積岩の一種類であり、非常に細かい粒子が水中で堆積した結果形成されます。具体的には、粒子のサイズは1/16 mm以下で、これらの粒子が堆積する際に水中で水平に積もります。その後、脱水と固結というプロセスを経て岩石として固まります。頁岩は、堆積面に沿って容易に割れる特性を持ち、この現象を「へき開性」と呼びます。この名称の由来は、頁が本のページを指すことから、薄く割れやすい性質にちなみます。ただし、「頁」の漢字は異なる読み方もあり、特定の文脈では「かしら」とも読み取られます。

さて、頁岩と似たような性質を持つ泥岩も存在します。泥岩も泥が堆積してできた岩石ですが、薄く割れない特徴があります。頁岩と泥岩は本質的には同じ物質から成り立っているため、時には頁岩を泥岩の一種と考える見解も存在します。

さらに、頁岩が弱い変成作用を受けると、より硬い粘板岩（スレート）に変化します。この粘板岩は、一般には硯の材料として知られており、特に美しい板状の形状を持っています。

化石の発見

頁岩の特性の一つは、水中に堆積した泥が生物の遺骸を含むことがしばしばあるという点です。古生代カンブリア紀の有名な化石が発見されたカナダのバージェス頁岩や、中国の澄江動物群がある澄江、グリーンランドのシリウスパセットなど、数々の頁岩から多くの同時代の化石が見つかっています。これらの化石は、頁岩が非常に細かい粒子で構成されているため、わずかな隙間もなく、酸素を通さない性質が生物の遺骸の腐敗を防ぎ、通常は化石になりにくい軟体部や内臓までもが保存され得るのです。したがって、頁岩は貴重な古生物学の資料となっているのです。

オイルシェールとしての利用

頁岩は、しばしば有機物が豊富に含まれているため、特に有機物の割合が高いものは、常圧下で触媒を用いずに乾留することで石油を回収することが可能です。このような特性を持つ頁岩を「オイルシェール」と呼びます。オイルシェールは、エネルギー資源として注目されており、石油の代替品としての利用可能性が広がっています。

まとめ

頁岩は、細かい粒子から成り立つ層状の堆積岩であり、化石を多く含む特性から古生物学の現場でも重視されています。また、オイルシェールとしてエネルギー資源の一部を成し得るなど、その資源的価値も高いのです。さらに、粘板岩に転じることで硯などの材料にも使用され、文化的価値も持つ岩石であると言えます。

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