永野勝美

永野勝美：岩手銀行を牽引した銀行家の生涯

永野勝美（ながの かつみ）は、1935年9月14日に生まれ、2020年11月19日に逝去した日本の銀行家です。岩手銀行において、頭取、会長、特別常任相談役を歴任し、その経営手腕で銀行の発展に大きく貢献しました。2008年には旭日小綬章を受章しています。

生い立ちと岩手銀行入行

岩手県一関市出身の永野氏は、岩手県立一関第一高等学校を経て、立教大学経済学部を卒業後、1960年に岩手銀行に入行しました。入行後は、主に企画部門や営業部門を担当し、その能力を発揮しました。

経営者としての手腕

専務時代には、インターネットバンキングやエリアグループ制の導入を推進し、銀行の近代化に貢献しました。また、事務開発を除くすべての本部業務を担当し、幅広い知識と経験を培いました。

2001年に頭取に就任すると、それまでの融資に慎重な姿勢を転換し、積極的に融資を推進する戦略を採用しました。この戦略が功を奏し、2006年3月期には2期連続の最高益を達成しました。永野氏の経営手腕は高く評価され、岩手銀行の発展に大きく貢献しました。

会長解任とその後

2007年、高橋真裕氏に頭取職を譲り、会長に就任しましたが、二頭体制に対する行内からの反発を受け、2009年4月に会長を解任され、特別常任相談役に退きました。

退任後は、2011年以降、Twitter上で国際情勢や政治・経済に関する情報発信を積極的に行いました。その発言は、時に注目を集め、議論を呼ぶこともありました。

2020年11月19日、永野氏は85歳で生涯を閉じました。その功績を称えられ、死没日をもって従五位に叙されました。

略歴

1960年：立教大学経済学部卒業後、岩手銀行入行
企画部副部長、同部長、庶務部長兼企画部長を歴任
1989年：取締役企画部長委嘱
1991年：取締役東京事務所長兼東京支店長委嘱
1993年：常務取締役
1997年：専務取締役
2001年：頭取
2007年：会長、盛岡商工会議所会頭
2009年：会長を解任、取締役に降格
2009年：特別常任相談役
* 2010年：盛岡商工会議所会頭退任

永野勝美氏は、岩手銀行の発展に大きく貢献しただけでなく、地域経済の活性化にも尽力した人物として、その名が記憶されるでしょう。

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