永青文庫

永青文庫の概要

東京都文京区目白台にある永青文庫は、古美術の重要な拠点として知られています。この美術館は1950年に設立され、特に日本や東洋の美術品に特化しています。設立者は第16代当主の細川護立で、彼は旧熊本藩の主家として多様な文化財保護活動を行ってきました。護立は「美術の殿様」とも呼ばれるほどの美術品収集家であり、時代を超えた貴重な作品の保存に尽力しました。ここでは、細川家伝来の美術品が多数展示され、訪れる人々に日本の豊富な美術文化を伝えています。

収蔵品と展示

永青文庫には、歴代当主が用いた甲冑や茶道具、書画、古文書など様々な収蔵品が揃っています。特に、国宝に指定されている太刀や短刀をはじめ、重要文化財として認定された絵画や彫刻、陶磁器も多数含まれています。護立の蒐集品は中国美術や近代日本の絵画、刀剣など多岐にわたり、細川家の伝記や歴史を物語る貴重な資料も数多く所蔵されています。例えば、横山大観や下村観山、菱田春草らとの関係から形成された近代日本の絵画コレクションは非常に興味深いものです。

重要文化財

• - 絵画: 「細川澄元像」や「洋人奏楽図」など多彩な作品が、熊本県立美術館に寄託され展示されています。
• - 刀剣: 細川家自伝の刀剣や、各時代の名刀が収蔵されており、文化財としての重要性が評価されています。
• - 古文書: 明治時代の歴史文書も所蔵し、細川家の歴史を物語る貴重な資料として研究が進められています。

公益財団法人永青文庫

永青文庫は公益財団法人として、主に以下の事業を行っています。
1. 所蔵品や古建造物の保管・寄託・修復。
2. 外部研究者を招いた資料の調査・研究。
3. 所蔵品の展示公開、メディアを通じた情報発信。
4. その他文庫の目的達成に必要な事業。

展示室とその他の活動

熊本県立美術館には「永青文庫展示室」があり、所蔵品の一部が年に数回展示替えを行い公開されています。また、東京国際空港の旅客ターミナル内でも一部の作品が展示され、国内外の観光客にも美術の素晴らしさを届けてきました。

終わりに

永青文庫は日本の文化財保護や美術の普及に貢献する重要な施設として、訪れる人々に歴史的な視点を提供し、また美術品の楽しさを体感できる場所です。時代を経ても変わらない美しさを持つ収蔵品を通じて、細川家の歴史と日本の文化が息づいています。従って、訪問者はただ作品を見るだけでなく、その背景に広がる歴史を感じることができるでしょう。

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