汐川

汐川（しおかわ）

汐川は愛知県田原市を流れる二級河川で、田原湾へと注ぎ込む重要な水路です。全長は約8.4キロメートル、流域面積は約39.5平方キロメートルに及びます。汐川の上流部は赤羽根町で源を発し、市街地を抜けていく中で変化に富んだ景色を見せてくれますが、全体的に単調な流れで構成されています。

河川の特徴

汐川の流れには段階的な河幅の変化が見られます。上流部にあたる田原市高松町付近では川幅が5〜12メートルほどで、比較的急勾配（1/350程度）で流れています。この状態から下っていくにつれ、坪井橋を越えると川幅は一気に30メートルに広がり、勾配も緩やかになり（1/1000程度）、青津川の合流地点では更に広がっていきます。下流部では川幅が40〜100メートルに達し、最大200メートルになるところも存在します。

また、汐川には澄んだ流れの中でポイントとなる淵や瀬は見受けられず、全体としてスムーズな流れを保っています。特に注目すべきは河口部にある汐川干潟で、これにより独自の生態系が形成されています。

環境と水質

汐川の流域は、上流部では森林や農地が見られる一方、下流部には市街地や工場が多く立地しています。1990年には全国で最も水質が悪い川として名を挙げられました。さらに、その後の2002年度も環境省の調査において水質の悪さがワースト4位にランクインしています。しかし、近年では取り組みが功を奏し、2020年度までの調査ではワースト5位以内には入らないという改善が見られました。

歴史的背景

汐川の改修は1897年頃に始まり、当時の神戸村長であった仲井式次郎が中心となって計画されました。この時期、川幅が狭く曲がりくねった汐川は、周辺の農民にとって問題となっていました。そこで、地元の住民は二毛作の可能性を求め、また雨季の氾濫を防ぐための改修を期待しました。

この改修事業は愛知県が主導し、国や地元の負担も受けながら進められました。地元住民は組合を結成し、協力して様々な事業に取り組みました。その結果、1931年には「汐川改修之碑」が完成し、清谷川と本川の合流地点に設置され、その後、加治橋の近くに移設されました。

主な支流

汐川には、下流から順に二級河川と準用河川がいくつか存在します。これらの支流は汐川に水量を供給し、流域の生態系を支える重要な役割を果たしています。

外部リンク

汐川に関する情報は、ウィキメディア・コモンズにもカテゴリとしてまとめられています。

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