汐路丸4世

汐路丸4世について

汐路丸4世（しおじまる4せい）は、東京海洋大学の海洋工学部が運営する特別な練習船です。この船は、汐路丸3世や青鷹丸という先代の船舶の代わりとして建造されており、高度な海洋科学技術の教育と海洋資源の専門家を育成するための訓練を行うことができます。

設計概要

汐路丸4世の全長は60.73メートル、全幅は11.1メートルで、総トン数は775トンとなっており、そのサイズは先代の汐路丸3世に比べて大きくなっています。このサイズ増加により、船の運用スペースが拡大され、より多くの教育活動や研究を支えることが可能です。

船橋甲板には、船長や機関長、その他の幹部の居室が設けられており、緊急時には迅速な対応ができるよう配慮されています。また、病室も設けられ、他の部屋と異なる系統の設備があり、安全面にも十分な配慮がされています。上甲板には学生や乗組員の居室が整備され、特に女子学生の増加に応じた女性専用区域なども設けられています。このようにユニバーサルデザインの考慮がなされています。さらに、静寂性にも配慮し、操舵機室や機関室の通風口が工夫されています。

特徴と機能

汐路丸4世は、先代の汐路丸3世および青鷹丸の代船としての役割を果たしており、同名の汐路丸としては4代目です。主機関にはディーゼル機関と電気推進を組み合わせたハイブリッド方式を採用しており、操船条件に応じて推進機関を切り替えることができます。主機に負荷がかかると、電動機が支援しスムーズな航行を実現します。

定員は70名で、内訳は乗員19名、教員7名、学生44名が収容可能です。船内には教育に適した教室が装備され、実践的な学びの場も提供されています。また、汐路丸4世は練習船としての役割に加え、海洋観測や海底資源探査といった幅広い観測機能を備えています。さらに、災害時の支援機能も持たせており、緊急時にも対応できる能力があります。

賞と評価

2021年には、日本船舶海洋工学会主催のシップ・オブ・ザ・イヤーにおいて、漁船・調査船部門賞を受賞するなど、そのデザインや機能性が高く評価されています。このような受賞歴は、汐路丸4世が持つ教育機能と研究能力の証明とも言えるでしょう。

本船は、教育現場での多様なニーズに応えるだけでなく、研究活動や災害支援にも活躍する多機能な船として、多くの人々に利用されています。

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