江口光清

江口 光清（えぐち あききよ）

江口光清は、安土桃山時代の出羽国、現在の山形県に活躍した武将で、最上氏の家臣として知られています。彼の正確な生い立ちは不明ですが、文禄年間には最上義光の側近としての活動が記録されています。光清の名は、道連（みちつら）とも伝えられていますが、彼の人生の中で特に有名なエピソードは、1600年の慶長出羽合戦における畑谷城防衛戦です。

畑谷城防衛戦

「奥羽の関ヶ原の戦い」とも称されるこの合戦では、光清は畑谷城に配置されていました。この時、西軍の上杉景勝に配属された直江兼続が攻撃を仕掛けてきました。この状況下で、最上義光は兵士たちの犠牲を最小限に抑えるべく、畑谷城の防衛をあきらめて山形城に戦力を集中させようと命令を出しました。しかし、光清はその命令に従わず、勇敢にも城を守り抜くことを決意しました。

彼は「敵を目前にして城を捨てることは、武士たる者の名が散る行為である」との信念のもと、敵に立ち向かいました。直江兼続は降伏を促しましたが、光清はこれを拒絶し、兵士300人を率いて激しい抵抗を行いました。その結果、光清の指揮する部隊は全滅を遂げることとなります。

直江兼続によれば、光清らの抵抗は非常に激しく、周囲の住民も巻き込んだ惨状が報告されています。彼は徹底抗戦を決意するにあたり、一族の子女を城外に逃がすことを内密に行い、その後、畑谷から小滝街道を経由して各地へと逃れました。この子女たちの子孫は、現在上山市以来の地域にその痕跡を残しています。

文化人としての一面

光清は武将であるだけでなく、文学においても一定の才能を持っていました。主君の最上義光は連歌に情熱を注ぎ、その家臣たち活躍の舞台として連歌会を頻繁に開催していました。光清は義光の連歌会に参加することが多く、彼のもとへ発句を依頼するための使者としても活動しました。

彼が詠んだ句の中には、以下のようなものがあります。

• - 一群の竹の林の暮れわたり 光清
• - やどり求めて鳥や鳴くらん 浅井了意
• - 花の色も暮るるを惜しむまりの庭 里村紹巴
• - 霞めるままにすだれをぞ巻く 光清

これは1193年6月13日に行われた百韻の連歌の中の一部で、数回にわたって連歌に参加した武将の中でも特に有名なのが光清でした。

総括

江口光清の人生は、武士としての矜持と文化人としての心を併せ持った非常にユニークなものです。彼の果敢な resistance と文化への貢献は、今なお多くの人々に語り継がれています。最上氏の一員として、彼はその名を歴史に刻み残しました。

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