池の平温泉スキー場

池の平温泉アルペンブリックスキー場

新潟県妙高市の池の平温泉郷に位置するスキー場です。現在は「ALPEN BLICK Resort」を構成する中核施設として運営されており、2021-2022シーズンからは「池の平温泉アルペンブリックスキー場」という名称を使用しています。それ以前は「池の平温泉スキー場」として広く知られていました。

ゲレンデの特徴

その歴史は古く、昭和2年（1927年）に開設された、国内でも有数の古いスキー場の一つです。妙高山麓に広がるスキーエリアの中央に位置し、有名な赤倉温泉スキー場と妙高杉ノ原スキー場の間に広がっています。

このスキー場の最大の特徴は、その広大な一枚バーンです。昭和49年（1974年）に施行された改正森林法によるスキー場開発の制限（コース幅を概ね50m以下とする規定など）以前から存在していたため、規制に縛られない幅広のゲレンデが実現しています。特にカヤバゲレンデエリアは公称最大幅400mを誇り、非常に開放的な滑走が可能です。また、最長滑走距離は3kmに達します。

全体的に急勾配のコースは少なく、比較的緩やかな斜面が多いため、初心者やファミリー層にとって安心して滑走できる環境が整っています。コースの滑走距離も比較的長く設定されています。このような地形的な特性から、修学旅行や地元の小学校によるスキー遠足、さらには自衛隊の雪上訓練など、団体利用が多いスキー場としても利用されています。

設立当初は、現在のカヤバゲレンデ側と、旧称「三ッ山スキー場」であった現在のアルペンブリックゲレンデ側で、それぞれ異なる経営主体によって運営されていました。その後、経営統合を経て現在に至ります。

コースとリフト

ゲレンデは大きくカヤバゲレンデ側とアルペンブリック側に分かれています。代表的なコースとしては、カヤバ側には「やまばと林間」「カラマツコース」「カヤバゲレンデ」「やまばと」「クワッド」などがあり、アルペンブリック側には「ヤッホー」「ガッシュタイナー」「ハッピーゲレンデ」「ドリーム」などがあります。

2021-2022シーズンより、コースの細分化やツリーランコースの新設などが行われ、それまでの9コース（または10コース）から15コースへと構成が変更されています。

リフト設備としては、高速・フード付きの「しらかばカプセルペア」や「池の平クワッド」があります。特に「しらかばカプセルペア」は安全索道製としては日本初のフード付きリフトとして知られています。その他、「カラマツペア」や混雑時に運行される「池の平中央ペア」、フットレスト付きの「アルペンブリック第1・第2ペア」などが運行されています。かつて存在した「カナメリフト」や旧「カラマツペア」は撤去されています。

スノーパークの歴史

池の平温泉スキー場は、かつてスノーパークの規模とクオリティで全国的に高い評価を得ていた時期があります。2006年からはプロスノーボーダーの大竹延王氏がプロデュースを手掛け、2009年の雪番長アワードでは「Best of パーク」で全国第1位を獲得しました（2008年は第2位）。その後、高橋烈男氏プロデュースの「池の平GOGOパーク」（1シーズン限定）や「Ikenotaira Park」を経て、2020-2021シーズンからは場所を移動して「MAVERICKS PARK」、2023-2024シーズンには「アルペンブリックパーク」と名称やコンセプトを変えながら現在に至っています。

施設とサービス

ゲレンデ内には、カヤバ側とアルペンブリック側にそれぞれリフト券売り場があります。更衣室はカヤバ側のレストラントムソーヤー内や、アルペンブリック側のホテルアルペンブリック内に設けられています。飲食施設としては、ホテルアルペンブリック内のレストランや、しらかばカプセルペア乗り場付近のレストラントムソーヤーなどが利用できます。かつて山頂付近にあったレストハウスは現在営業していません。主要なリフトの乗降所にはトイレも設置されています。

ユニークなサービスとして、「二日目割」があります。これは、前日に半日券以上のリフト券（他のスキー場のものでも可）を利用した場合に割引が適用されるもので、利用促進の一環として実施されていました。

ALPEN BLICK Resortと周辺施設

このスキー場はALPEN BLICK Resortの中核として、宿泊施設や温泉施設などが隣接・近接しています。ゲレンデに直接アクセスできる宿泊施設として「ホテルアルペンブリック」があります。また、隣には自家製地ビールを製造・提供する地ビール工場レストラン「タトラ館」があり、ホテル宿泊者の夕食会場としても、予約制で一般営業も行っています。

ゲレンデから少し坂を下った場所には、日帰り温泉施設「アルペンブリックスパ 日帰り温泉」（旧称：ランドマーク妙高高原）があります。ここでは温泉のほか、ショップや食事処も利用でき、スキーシーズン中は早朝から深夜まで営業しています。その他にも、池の平温泉郷には多数のホテルや旅館が存在し、多様な宿泊ニーズに対応しています。

ALPEN BLICK Resortとしては、スキーだけでなく、2022年5月にはマウンテンバイクのコースを備えた「ALPEN BLICK MTBパーク」も開設しています。

主要な沿革

1927年（昭和2年）: 池の平温泉スキー場が開設。
1950年（昭和25年）: 赤倉温泉スキー場と共に、日本国内第1号となる運輸省（当時）認可のスキーリフトが設置される。当時の搬器は現在、上信越自動車道妙高サービスエリアに展示されている。
1959年（昭和34年）: 池の平三ッ山スキー場（現在のアルペンブリックゲレンデ）が開設。
1996年（平成8年）: 三ッ山スキー場を運営していた会社が撤退し、荒井建設（現・荒井アンドアソシエイツ）に営業権を譲渡、「アルペンブリックスキー場」に改称。
1997年（平成9年）: カヤバゲレンデ側でリフトの架け替えが行われ、池の平クワッドリフトが新設される。
2002年（平成14年）: カヤバゲレンデを運営していた新潟県観光施設株式会社が民事再生を申し立てる。
2005年頃: カヤバ側とアルペンブリック側の経営が実質的に統合される。
2016年（平成28年）: カヤバゲレンデを含め、すべてのリフトの索道事業者が荒井アンドアソシエイツ株式会社に一本化される。
* 2021年（令和3年）: 2021-2022シーズンより名称を「池の平温泉アルペンブリックスキー場」に変更。コース構成を大幅に変更し、コース数が15となる。

アクセス

自動車を利用する場合、上信越自動車道の妙高高原インターチェンジから約4分と非常にアクセスが良い場所にあります。ゲレンデ付近の駐車場はカヤバ側、アルペンブリック側合わせて1200台分があり、全日無料で利用できます。

公共交通機関では、えちごトキめき鉄道・しなの鉄道の妙高高原駅から西へ約4kmです。スキー場営業期間中は、妙高高原駅や周辺施設（ホテルアルペンブリック、アルペンブリックスパなど）を巡回する無料シャトルバスが運行されています。また、季節限定で北陸新幹線上越妙高駅から頸南バスによる「妙高高原ライナー」も運行され、直通アクセスが可能です。

その他

かつて「いけべい」という、バーニーズ・マウンテン・ドッグをモチーフにした愛らしいキャラクターが存在しました。頭に風呂桶を乗せたユニークな姿で、ゲレンデを滑走することも。スノーボード専門誌のキャラクター選手権で優勝した実績もありましたが、現在はスキー場ホームページなどでの露出は見られなくなっています。

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