池原義郎

池原義郎について

池原義郎（いけはら よしろう）は、日本の建築家であり、早稲田大学の名誉教授、日本芸術院の会員として知られています。1928年3月25日に東京都渋谷区で生まれた彼は、建築界において幅広い影響力を持ちました。

学歴と初期の経歴

彼は明治学院中学校、そして早稲田大学高等学院を経て、1951年に早稲田大学の理工学部建築学科を卒業しました。その後、1953年には同大学院工学研究科の建設工学専攻で建築計画を学び、修了しました。卒業後は山下寿郎設計事務所に務めました。1956年には早稲田大学理工学部建築学科にて今井兼次研究室の助手を務め、そこから彼の教育者としてのキャリアが始まります。

1964年には多摩美術大学美術学部で講師を、1965年には早稲田大学理工学部建築学科で専任講師として活動しました。翌年からは助教授、1971年には教授に昇進し、その後も多くの学生に影響を与えました。

受賞歴と業績

池原は1974年に日本建築学会賞を受賞し、1988年には自らの設計事務所「池原義郎・建築設計事務所」を設立しました。この事務所では、彼の建築哲学を基にした様々なプロジェクトが行われました。また、1989年には日本芸術院の会員に選ばれるほど、その業績は高く評価されました。

1995年には早稲田大学から名誉教授の称号を受け、2002年には日本の文化に貢献したとして勲三等瑞宝章を授与されました。彼の教育と作品は多くの後進に影響を与え、建築界における彼の地位は不動のものでした。

著書

池原義郎は、その業績として多くの著書も残しています。代表的なものには、1958年に出版された『建築講座 7 設備』や、1959年に西稔との共著で書かれた『設計製図』があります。

さらに、彼の思想や建築哲学が詰まった『池原義郎のディテール、理性と感性の詩的統合』は1990年に発表されました。この他にも、

• - 『ガウディ 芸術的・宗教的ヴィジョン』（1993年、共訳）
• - 『光跡 モダニズムを開花させた建築家たち』（1995年）
• - 『池原義郎・作品1993-1999』（1999年）など多くの著作があり、これらを通じて彼の建築に対する考えやアプローチを知ることができます。

晩年と死去

池原義郎は、2017年5月20日に肺炎球菌肺炎により亡くなりました。享年89歳でした。彼の業績と影響は今なお多くの人々に引き継がれ、建築界での存在は永遠に記憶されることでしょう。

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