池川伸治

池川伸治のプロフィールと業績

池川伸治（いけがわ しんじ、1938年4月14日 - 2011年1月11日）は、日本の貸本漫画家として活動した人物です。彼は初期に『ミナミの帝王』の作者である郷力也のアシスタントを務め、その後独自のスタイルを確立していきました。

経歴

池川は太陽プロダクションの出身で、最初は「夏川ちさと」と名乗り、少女漫画を手掛けていました。1964年頃から、彼はホラーやサイコスリラーと呼ばれるジャンルへとシフトし、独特な作品を生み出します。彼の作風は不条理で荒唐無稽な展開が特徴であり、漫画界に「少女スリラー」という新たなジャンルを確立しました。単行本の数は100冊を超え、ホラー漫画界での地位を確立しています。

1970年代以降、池川はひばり書房から数作の描き下ろしを発表しますが、その後は沈黙に入ります。実際、彼は漫画界から離れ、全国の建設現場で肉体労働をして過ごす日々が続きました。この期間、池川の名前は業界から遠く離れていました。

1990年代になると、貸本復刻ブームが彼の再評価を促しました。特に、押切蓮介が手掛けたウェブサイト本『カイキドロップ』に作品「おジュースは死の香り（アミ君の巻）」を寄稿し、20年以上の沈黙を破ります。しかし、この作品が彼の絶筆となってしまいました。

池川は漫画家の清野とおるとも親交があり、清野は著書『ハラハラドキドキ』第2巻の中で池川との出会いを描いています。このエピソードも、池川の生涯を知るための貴重な資料となっています。

代表的な作品

池川は様々な作品を世に送り出しましたが、その一部を以下に紹介します。彼の作品は主にホラーやスリラーの要素が含まれており、常に読者に印象を残しています。

• - 『花の秘めごと』（ひばり書房, 1962年）: 夏川ちさと名義での作品。
• - 『いつの日か花咲かん』（ひばり書房, 夏川ちさと名義）: 初期の少女漫画として評判。
• - 『血子ちゃん』（別冊マーガレット, 1965年11月号）: 独自のホラー要素を取り入れた作品。
• - 『消えたママ』（別冊マーガレット, 1965年12月号）: サイコスリラーの典型的な内容。
• - 『黒水仙はなぜ恐い?』（ひばり書房, 1964年頃）: 池川ならではの不条理さを持った物語。
• - 『奇談シリーズ8 花の百合子/毒の奇理子・炎の奇理子/双生児の鬼』（まんだらけ出版, 2019年）: 限定版として再販された名作。

彼の作品は、時代を超えて多くの読者に影響を与え続けています。池川伸治の独特のホラー漫画は、今もなお広く評価され、研究の対象としても注目されています。

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