池田修一

池田修一七段：青森から羽ばたいた棋士の生涯

池田修一（いけだ しゅういち）は、1945年2月12日、青森県八戸市に生まれ、2006年7月3日に61歳で亡くなった将棋棋士です。棋士番号102、花村元司九段門下で、その温厚な人柄と地元への深い愛情で知られていました。

15歳で奨励会に入会した池田は、順調な歩みを続けるかに思えましたが、1964年から1965年にかけて肺結核を発症。1966年から1968年まで故郷八戸市で療養生活を送ることになります。当時三段で無収入だった池田を支えたのは、医師の温情による出世払いの医療費と、親友である中原誠四段（当時）からの生活費でした。中原七段とは少年時代からの付き合いで、初めて対局で勝利した際に高級品だったバナナをプレゼントしたというエピソードも残っています。

1969年に四段に昇段を果たした池田は、その後も地道に実力をつけ、1972年と1982年には王位戦本戦リーグ入りを果たします。1982年には、当時棋王だった米長邦雄永世棋聖を破る活躍も見せました。

しかし、池田の棋士人生において大きな転換点となったのが、1993年の出来事です。竜王戦で中井広恵女流棋士に敗れ、公式戦で女流棋士に敗れた最初の棋士となってしまいました。これは、将棋界の歴史に新たな1ページを刻む出来事だったと言えるでしょう。同年、現役勤続25年という節目を迎えました。

2000年8月20日、通算成績244勝494敗という記録を残し、池田は引退を発表します。引退後も将棋界への貢献は続き、2004年4月1日には七段に昇段。その功績は、引退後も高く評価され続けています。

池田はプロ入り後も八戸市に居住し、対局の度に東京へ通う生活を送っていました。地元では「将棋の池田」として広く知られており、先崎学八段が1990年頃に八戸を訪れた際、タクシー運転手に「将棋の池田」と言えばすぐに場所が分かったというエピソードも残っています。地元新聞「デーリー東北」の将棋欄で観戦記を執筆するなど、地元への貢献も欠かしませんでした。

また、1977年より毎年八戸市で開催されている「はちのへ将棋まつり」の運営責任者を務めるなど、地元における将棋の普及にも大きく貢献しました。

池田修一七段の棋士人生は、決して華やかで順風満帆なものではありませんでした。肺結核という試練を乗り越え、地元への愛情を胸に、持ち前の温厚な人柄と地道な努力で将棋界に貢献した生涯でした。彼の功績は、将棋界の歴史にしっかりと刻まれています。そして、彼の地元への貢献は、八戸市民の記憶に長く残り続けるでしょう。

昇段履歴

1960年：入門
1969年4月1日：四段
1976年4月20日：五段
1988年4月13日：六段
2000年8月20日：引退
2004年4月1日：七段

主な成績

王位戦本戦リーグ入り（1972年、1982年）
現役勤続25年（1993年）

表彰

* 1993年：現役勤続25年

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