池田瑛子

詩人 池田瑛子

池田 瑛子（いけだ えいこ）は、1938年4月7日に富山県に生まれた日本の詩人です。現在は射水市に在住し、この地を拠点に創作活動を行っています。旧姓は浜谷（はまたに）です。青山学院大学文学部英米文学科を卒業しました。

経歴と活動

池田瑛子は、長きにわたり富山県の詩壇において中心的な役割を果たしてきました。特に、富山県詩人協会では、2009年11月から2019年11月までの10年間にわたり会長を務め、地域における詩の普及・振興に多大な貢献をしました。会長退任後も同協会の顧問として、引き続き地域詩壇の発展に力を尽くしています。また、詩作グループである『祷』の同人としても活動し、作品を発表しています。

地域文化への貢献は多岐にわたり、中でも北日本新聞の文化欄「北日本文芸」における詩壇選者としての活動は特筆されます。2006年から2023年9月まで、実に17年以上にわたり選者を務め、多くの投稿作品に触れ、選評を執筆することで、地域の詩作活動を支援しました。これらの長年の功績が評価され、2015年には第67回北日本新聞文化功労賞を受賞しています。

受賞と詩業

詩人としての創作活動においても、高い評価を得ています。2020年に刊行された詩集『星表の地図』は、その優れた内容が認められ、2021年に第15回北陸現代詩人賞を受賞しました。これは池田瑛子の詩業における重要な節目の一つと言えるでしょう。また、日本ペンクラブの会員でもあり、日本の詩壇全体においてもその存在感を示しています。

主な著書

池田瑛子は、これまでに多くの詩集や著作を刊行しています。最初の詩集は、旧姓の浜谷瑛子名義で1963年に出版された『風の祈り』です。その後、『池田瑛子詩集』、『思惟の稜線』（北陸現代詩人シリーズ）、『母の家』、『縄文の櫛』、『岸辺に』、『星表の地図』など、多数の詩集を発表し続けています。詩画集『駟』や、日下義彦氏との共著である『秋の記憶』（Arcadia series. フローラブックス）のような異分野とのコラボレーション作品もあります。近年では、詩論やエッセイをまとめた『歌の翼に』（[新]詩論・エッセイ文庫）も刊行されており、その活動は多岐にわたります。

池田瑛子の詩は、故郷富山の風土や、自身の内面、時間、記憶といったテーマを、研ぎ澄まされた静謐な言葉で深く掘り下げて表現することに特徴があります。長年の詩作活動を通じて培われた円熟した筆致は、多くの読者を惹きつけています。地域文化の推進者として、そして探求的な詩人として、現代詩における確かな足跡を残しています。

著書一覧（抜粋）

『風の祈り 詩集』浜谷瑛子 詩苑社 1963年
『池田瑛子詩集』 (日本現代女流詩人叢書）芸風書院 1983年
『駟 詩画集』池田瑛子 [ほか]著. 能登印刷・出版部 1990年
『池田瑛子詩集 思惟の稜線』 (北陸現代詩人シリーズ) 能登印刷出版部 1995年
『母の家 詩集』土曜美術社出版販売 2001年
『秋の記憶』 (Arcadia series. フローラブックス)日下義彦[画]. 美研インターナショナル 2004年
『池田瑛子詩集』 (新・日本現代詩文庫）土曜美術社出版販売 2006年
『縄文の櫛 詩集』文芸社 2008年
『岸辺に』思潮社 2013年
『星表の地図』思潮社 2020年
* 『歌の翼に』（[新]詩論・エッセイ文庫27）土曜美術社出版販売 2024年

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