池袋駅構内大学生殺人事件

池袋駅構内大学生殺人事件とは

1996年4月11日午後11時30分頃、JR池袋駅の山手線ホームで、当時立教大学の学生であった男性が、見知らぬ男に殴打され死亡した事件です。多くの目撃者がいたにも関わらず、犯人は逮捕されておらず、未解決事件となっています。

事件の概要

事件当日、被害者である大学生は、池袋駅山手線外回り7・8番線ホームで、会社員風の男に因縁をつけられました。男は男性の顎を殴り、男性は転倒。後頭部を強打し、5日後に死亡しました。男は事件後、現場に留まるよう求めた乗客を恫喝し、山手線で日暮里方面へ逃走。日暮里駅で降車したかどうかは不明です。

目撃者の証言によれば、男はホームに上がる階段の下で男性に因縁をつけ、口論の末に平手で殴打したとされています。

当初は傷害致死事件として捜査されましたが、被害者の父親が署名活動を行い、公訴時効延長を求めた結果、2003年に殺人罪として再捜査されることになりました。2010年には警察庁の捜査特別報奨金制度対象事件となりましたが、2012年に遺族の意向で指定を辞退しています。

遺族は捜査の打ち切りを求めており、警視庁は2020年12月11日に殺人容疑について被疑者不詳のまま書類送検しました。しかし、現在も情報提供を呼びかけ、被疑者特定による逮捕を目指しています。

犯人の特徴

目撃証言から、犯人の特徴は以下の通りです。

年齢：24歳～38歳
身長：170～180cm
体格：がっしり型
その他：右目尻に3つの古傷、目つきが据わっている、二重あご
服装：黒っぽいグレーのスーツ

これらの情報をもとに似顔絵が作成され、池袋駅などに貼られていました。

似顔絵と酷似した男の目撃情報

事件から2ヶ月後、被害者の父親が北千住駅で似顔絵とよく似た男を目撃しました。男はパチンコ店に入り、その後常磐線で柏駅へ移動。駅の売店でビールを飲んだ後、再び改札に入り我孫子方面のホームへ向かったところで、見失ってしまったとのことです。

犯罪被害者家族の会「ポエナ」

事件の遺族である被害者の父親は、2006年に犯罪被害者家族の会「Poena（ポエナ）」を設立しました。「Poena」はラテン語で「刑罰」を意味します。

「ポエナ」は、殺人事件などの凶悪事件における公訴時効の延長を求める活動や、犯人に関する情報提供を呼びかける活動を行っています。

2010年には、殺人罪の公訴時効廃止を含む刑事訴訟法改正が実現しましたが、「ポエナ」は法の不遡及の原則から、時効が進行中の事件への遡及適用には反対の立場をとっています。

また、遺族は捜査特別報奨金制度の指定辞退や捜査の終結を求めており、被害者感情が法を歪めることへの懸念を示しています。

関連情報

JR池袋駅山手線ホーム上立教大生殺人事件：警視庁
* 犯罪被害者家族の会 Poena（公式サイト）

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