池邊このみ

池邊このみ氏は、1957年生まれの日本の造園学者であり、千葉大学の教授として教鞭を執っています。彼女の専門分野は、都市緑地学、都市緑地計画学、緑地創成論、そして緑地デザイン学と多岐にわたります。

東京都出身の池邊氏は、千葉大学園芸学部造園学科を卒業後、同大学大学院に進学し、造園学研究科修士課程を修了しました。その後、自然科学研究科博士課程の環境計画学専攻を満期修了し、造園学における高度な専門知識と研究能力を培いました。

大学院修了後は、民間企業での実務経験を積みました。1988年には株式会社住信基礎研究所に入社し、その後、2003年には株式会社ニッセイ基礎研究所の上席主任研究員に就任しました。これらの企業での勤務を通じて、都市計画や環境に関する実社会での課題に対する理解を深めました。

さらに、2007年からは独立行政法人都市再生機構都市デザインチームリーダーとして、都市空間のデザインに関する実践的なプロジェクトを主導しました。都市再生における緑の重要性を考慮し、持続可能な都市環境の実現に貢献しました。

2011年、池邊氏は長年の研究と実務経験を活かし、千葉大学教授に就任しました。教育者として、次世代の造園家や都市計画家を育成する傍ら、研究活動も精力的に続けています。2020年には、第25期日本学術会議会員にも選出され、学術界における重要な役割も担っています。

池邊氏の研究は、都市における緑地の役割を多角的に捉え、その計画、設計、管理に関する実践的な知見を提供しています。彼女は、都市の緑が人々の生活の質を向上させ、持続可能な社会の構築に不可欠であるという信念を持って研究に取り組んでいます。

著書としては、『市民ランドスケープの創造』（2000年、公害対策技術同友会）、『造園がわかる本』（2006年、彰国社）、『ランドスケープ・マネジメント』（2012年、学芸出版社）などがあり、これらの著作を通じて、造園に関する知識を広く社会に普及させています。また、「集合住宅の市場価格における景観要素の価値に関する地域分析」といった論文も発表しており、学術的な貢献も非常に大きいです。

池邊このみ氏の研究と活動は、都市環境の改善と持続可能な社会の実現に不可欠であり、今後の更なる活躍が期待されています。

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