汪東興

汪東興の生涯と功績

汪東興（おう とうこう、1916年1月9日 - 2015年8月21日）は、中華人民共和国の政治家であり、長年にわたり毛沢東の警備を務めたことで知られています。彼はその後、華国鋒と共に「四人組」の逮捕に貢献し、中国共産党の重要な位置を占めました。汪の人生は波乱に満ちており、中国の政治史に深く刻まれています。

経歴の背景

汪東興は貧しい農家に生まれました。1932年に中国共産主義青年団から中国共産党に入党し、紅軍に参加。その後、紅軍第二野戦委員の政治委員や八路軍衛生部の副主任などさまざまな役職を歴任しました。彼は延安への長征にも参加し、国共内戦では中央直属隊司令部の副参謀長として活躍しました。

警備の役割

1949年に中華人民共和国が成立すると、汪は政務院秘書庁副主任や公安部副部長、さらには党中央書記処の弁公処副処長を歴任し、党中央警衛団の団長として中南海の警備を担当しました。1955年には少将に昇進し、警備任務に注力しましたが、1958年には江西省副省長として左遷されることになります。

文化大革命とその後の影響

1960年に中央に復帰した汪は、文化大革命が始まると重用されるようになります。1965年には党中央弁公庁の主任に任命され、中央警衛局の党委第一書記や総参謀部警衛局長も兼務しました。1973年には党政治局の委員に昇格し、鄧小平とのパイプ役としても知られるようになります。

四人組の逮捕

1976年9月の毛沢東死去後、汪は華国鋒と協力し、自ら指揮する8341部隊を用いて“四人組”の逮捕を実現しました。彼の功績は文革の中で数々の重要な政治家を逮捕する命令を出したことからも明らかです。1977年には党副主席や中央政治局常務委員に就任し、華国鋒との「すべて派」として権力を強化しました。

政治的変遷と退任

しかし、1978年に鄧小平が復権すると、汪は権力を失い、1980年には党副主席や中央政治局常務委員を辞任。華国鋒と共に表舞台から退き、その後は中央候補委員や党顧問委員会に関与しました。

生涯の終焉

2015年8月21日、汪東興は病気により北京市内の病院で94歳で亡くなりました。彼は中国政治の変遷と共に生き、その影響を受けながらも、一生を政治活動に捧げた人物として記憶されています。汪の功績と生涯は、今後も多くの人々に語り継がれていくことでしょう。

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