鄧小平

鄧小平とは

鄧小平（とうしょうへい、Deng Xiaoping）は、1904年に中国の四川省で生まれた政治家です。彼は1978年から1989年まで中華人民共和国の最高指導者として君臨し、毛沢東の厳格な共産主義から経済改革へと中華人民共和国の路線を転換させました。特に、改革開放政策と一人っ子政策を実施し、現代中国の基盤を築いたことで知られています。

生涯と留学

鄧小平は裕福な家族に生まれ、16歳の時にフランスに留学。そこで彼は「勤工倹学」という形で働きながら学びました。フランスでの生活は彼の視野を広げ、共産主義に目覚めるきっかけとなりました。しかし、彼は1926年にフランスを離れ、ソビエト連邦で共産主義を学ぶことになります。その後、中国に戻りゲリラ活動を始めました。

共産党内でのキャリア

鄧小平は長征に参加した後、国共内戦で重要な役職に就き、1952年には政務院副総理に任命されます。しかし彼は1966年に文化大革命に巻き込まれ、権力を失い、追放されます。1973年には復帰を果たし、1978年には最高指導者として実権を握ります。

改革開放政策の推進

鄧小平は1978年の第三次全国人民代表大会で改革開放の必要性を強調し、中国の経済を市場経済に移行させるための政策を立案しました。 彼は「白猫黒猫論」と呼ばれるフレーズを使い、猫の色に関係なく、鼠を捕まえることが良い猫であると主張し、実利を重視しました。

外交政策と国際関係

彼の指導の下、中国は1979年にアメリカとの国交を樹立し、経済特区を設置して外資の導入を促進しました。また、南シナ海や尖閣諸島に関する平和政策を提唱し、中国の影響力を拡大しました。彼はまた、ベトナムとの戦争においても関与しました。

天安門事件

1989年、学生たちが民主化を求める運動を展開しましたが、鄧小平はこの動きを武力で鎮圧する決定を下しました。この「第二次天安門事件」は、中国国内外で大きな議論を生み出し、国際社会からの批判を浴びることになりました。

死後の評価

鄧小平は1997年に亡くなった後も、彼の改革開放政策は中華人民共和国の経済成長に大きな影響を与え続けました。就任当初の中国からは考えられないほどの変革を遂げた彼の業績は、「鄧小平理論」として中国共産党の指導思想に残り、経済政策と社会の発展の指針とされています。

あだ名と逸話

鄧小平は「小瓶」と呼ばれることが多いほか、「不倒翁」や「唐辛子風味のナポレオン」とも称されました。また、彼の好物であったクロワッサンは、フランス留学中にホー・チ・ミンから教わったとも言われています。彼は趣味としてコントラクトブリッジを楽しみ、その影響力は多岐にわたりました。鄧小平の人生は、複雑で波乱万丈なものであり、その功績と影響は中国史において重要な位置を占めています。

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