汲沢

汲沢（ぐみさわ）

神奈川県横浜市戸塚区に位置する汲沢は、一丁目から八丁目と汲沢町からなる地域です。住居表示は一丁目から八丁目までが実施済みで、汲沢町は未実施区域です。戸塚区の南西部に位置し、国道1号線や神奈川県道22号線（長後街道）に接しています。

地理

汲沢の地形は、北部に標高約60メートルの丘陵が連なり、南東側には谷戸を挟んで別の丘陵が対峙しています。西部には宇田川が南北に流れ、深谷町に接する台地へと続いています。南部は国道1号線に接し、西側にはまさかりが淵市民の森が広がっています。この地域は全体的に標高が高く、西方に開けた丘陵地で、かつては富士見村の一部だったことから、富士山の眺望が良い場所が多くあります。

歴史

地名の由来はグミの木からきています。古くは相模国小坂郡に属し、茱萸沢村と呼ばれていました。鎌倉幕府の御家人、畠山六郎重保の陣屋があったとされ、その名残として六郎丸という字名が残っています。室町時代に汲沢と改称され、鎌倉郡に編入されました。明治時代に近隣の村と合併して富士見村となり、後に横浜市に編入されました。昭和初期には別荘地として開発が進み、戦後の人口増加を経て、横浜市営地下鉄踊場駅の開業とともに利便性が向上しました。1983年と1985年に住居表示が実施され、現在の町丁目が成立しました。

字名

汲沢町には以下の字名が存在します。

面積

面積は以下の通りです。

地価

2024年1月の公示地価によると、住宅地の地価は以下の通りです。

汲沢町字宮ケ谷：18万4000円/m²
汲沢4-7-16：14万8000円/m²
汲沢1-9-29：23万4000円/m²

世帯数と人口

2024年8月31日現在の世帯数と人口は以下の通りです。

人口の変遷

国勢調査による人口の推移は以下の通りです。

汲沢

汲沢町

世帯数の変遷

国勢調査による世帯数の推移は以下の通りです。

汲沢

汲沢町

学区

市立小・中学校の学区は以下の通りです（2023年4月時点）。

事業所

2021年経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りです。

事業者数の変遷

経済センサスによる事業所数の推移は以下の通りです（汲沢と汲沢町の合算数）。

従業員数の変遷

経済センサスによる従業員数の推移は以下の通りです（汲沢と汲沢町の合算数）。

交通

横浜市営地下鉄ブルーラインが踊場駅から戸塚・湘南台方面へ連絡しており、神奈中バスが戸塚駅、立場駅、弥生台駅、いずみ中央駅、大船駅、藤沢駅などを結ぶバス路線が運行しています。

施設

北部には踊場駅周辺に商業施設が集積し、東部には横浜新道近隣に大型店舗があります。中央部には教育、医療、福祉施設が集まっています。警察組織としては戸塚警察署踊場交番、深谷交番があり、町域の東隣には戸塚警察署があります。金融機関としては、踊場駅前郵便局と深谷郵便局が利用できます。

民話

「猫の踊場」という民話が有名で、踊場駅には猫のモチーフが使われています。他にも「まさかりが淵」の伝説や「一口藪」の妖怪話が伝わっています。これらの民話を題材にしたオペラやミュージカル、紙芝居などが制作・上演されています。また、「おどりばねこまつり」というイベントも開催されています。

地域活動

踊場地区センターや東汲沢小学校コミュニティハウスなどで地域交流、健康増進、子育て支援、介護支援、文化・スポーツ活動が行われています。汲沢連合町内会、北汲沢連合町内会、踊場連合町内会が広報誌を発行しています。相互扶助として、北汲沢地域総合福祉活動委員会が外出・家事支援を行っています。防犯では自警団おどりばキャッツが活動し、スポーツ分野ではクローバースポーツクラブが活動しています。文化分野では汲澤囃子連が伝統芸能を継承しています。

明治初期までの知行者、知行高、戸数等の変遷

戦国時代：畠山氏の陣屋。
天正19年（1591年）：彦坂小刑部から戸田九平へ、99石3升。
元禄期（1700年-1702年）：110石。
天保期（1834年）：278石7斗1升2匁1才。
天保14年（1843年）：224石3斗、40軒。
明治3年（1870年）：285石7升8合、51戸、292人。
明治初期：285.078003石。
明治12年（1880年）：田16町9反4畝19歩、畑109町9反1畝2歩、58戸、325人。
明治15年（1883年）：人口331人。米169石、大麦100石、小麦150石、雑穀150石、馬鈴薯400石。

名所旧跡

縄文遺跡：細田遺跡、大丸遺跡。
宝寿院：願行上人作の不動明王像を本尊とする古刹。
五霊神社：村岡良文らを祀る神社。モミノキが横浜市の名木古木に指定。
大丸祭壇：富士山信仰に由来する祭壇。道標としての役割も。
汲沢の七杜：御伊勢様、山王様など小規模な祠。
畠山重保陣屋跡：畠山重保が居住したとされる場所。
源氏山：眺望の良い丘陵地。
まさかりが淵市民の森：民話の残る滝と森。
村岡川：現在は宇田川と呼ばれている。
汲沢御所水公園: 宇田川遊水地として整備された公園。
六十六部廻国供養塔：巡礼者の供養塔。
踊場：猫の伝説で知られる峠。
横浜植木会社試作場：園芸用百合根栽培の試作場。
戸塚競馬：かつて存在した競馬場。
岡津道：泉区岡津町から続く道。道標、祠などが残る。
東海道：江戸時代の主要街道。名残として並木、坂などが残る。
箱根駅伝戸塚中継所：往路、復路の選手が襷を繋ぐ中継所。
ロケ地：ドラマや映画のロケ地として使われる。
深谷通信隊:旧海軍通信隊跡地。返還後、公園整備を予定。

その他

日本郵便：集配担当郵便局は以下の通りです。

* 警察：町内の管轄区域は以下の通りです。


汲沢は、歴史と自然、そして人々の生活が調和した魅力的な地域です。古くからの文化が今も息づき、地域活動も活発に行われています。

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