決断の3時10分

映画『決断の3時10分』

『決断の3時10分』（けつだんのさんじじゅっぷん、英題：3:10 to Yuma）は、1957年に公開されたアメリカの西部劇映画です。監督はデルマー・デイヴィスで、主演にはグレン・フォードが強盗のボス、ベン・ウェイドを演じ、ヴァン・ヘフリンがその護送役を担う貧しい牧場主ダン・エヴァンスを演じています。本作は、エルモア・レナードによる1953年の短編小説『三時十分発ユマ行き』を原作としています。

ストーリーの概要

物語はアリゾナの荒野を舞台に展開されます。ウェイド一味が駅馬車を襲撃する場面から始まり、そこにダンが登場します。彼は襲撃を目撃するものの、生活が厳しいために見て見ぬふりをします。ウエイドらがビズビーの酒場で正体を隠している間に、町の保安官たちが彼らを追うことになり、その隙にウェイドは酒場の女と会話を楽しむために残ります。

ダンは金を得るために、ウェイドの護送役として名乗り出る決断をします。もともと襲撃による被害で200ドルを得たい意向もあり、金銭的な事情からこの役目を引き受けました。ウェイドをユマへ護送する冒険が始まりますが、その旅路は予想外の困難に満ちています。敵であるウェイドの手下が迫り、ダンとウェイドの間には複雑な心情が生まれます。

拮抗する思惑と人間ドラマ

ウェイドをコンテンションシティまで護送し、そこから3時10分の列車でユマに向かうことが目標となります。しかし、その途中でダンの心が揺れ動く瞬間が訪れます。町の人々はウェイドに恨みを抱きつつも、自身の生活が懸かっているため、明確には彼を助ける気にはなれません。さらに、ウェイドはダンに対して、逃がしてくれるなら一万ドルを提示し、こちらの心情に攻略を試みます。

ダンの家族、特に妻アリスの存在も物語に重要な役割を果たします。彼女の登場によって、ダンは自分が進むべき道を再考します。その後、列車の発車時刻が迫る中、ウェイドの手下たちとの壮絶な攻防が繰り広げられます。

最終的に、ウェイドはダンと共に列車に飛び乗る決断をします。彼らは身を投じて逃げる選択をし、ダンはウェイドに強い不信感を抱きつつも共闘します。結果として、二人は思わぬ絆を感じることになり、ストーリーは感動的なクライマックスに向かって進んでいきます。

作品の評価とリメイク

1957年のオリジナル版は、公開当初から高い評価を得ており、Rotten Tomatoesでは96%の高評価を記録しています。また、2007年には『3時10分、決断のとき』としてリメイクされ、大ヒットを記録しました。リメイク版ではラッセル・クロウとクリスチャン・ベールが主演し、現代的な解釈とアプローチで再度この物語が描かれました。

この映画は、西部劇というジャンルを代表する名作であり、家族、誠実さ、そして道徳的選択の重要性を描いた作品として今なお映画ファンに愛され続けています。

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