汽笛が響く!

ドラマ『汽笛が響く!』の概要

『汽笛が響く!』は、1978年4月2日から7月23日までフジテレビ系で放送された日本のテレビドラマです。関西テレビが制作した本作品は、鉄道をテーマにしており、特に九州・島原の小規模私鉄「有明鉄道」を舞台にしています。

物語の背景

物語は昭和23年から始まり、主人公・屋代由之を中心に展開します。由之は大資本の圧力から「有明鉄道」を守るために立ち向かう人物で、彼を取り巻くさまざまな人々との人間関係や人生模様も描かれています。このドラマには、主人公のモデルとなった実在の人物、島原鉄道の元役員であり著書「まぼろしの邪馬台国」の著者である宮崎康平の影響が色濃く見られます。

放送と視聴率

全体で放送されたのは、約16話にわたる一連のエピソードです。しかし、視聴率は伸び悩み、1978年5月7日に放送された第6話では1.9％という低迷する結果に終わりました。この状況は厳しかったものの、制作側はストーリーの深化やキャラクターの魅力を追求し続けましたが、結局なかなか視聴者の心を掴むことができず、1978年6月には「7月打ち切り濃厚」という報道が流れました。そして、予告通りに7月23日に放送が終了しました。

主なキャスト

このドラマには多くの魅力的なキャストが出演しており、主人公の屋代由之を演じる藤岡弘を始め、屋代伊知子（丘みつ子）、泉谷信子（中田喜子）、神島淳一（長塚京三）など、実力派の俳優が揃いました。さらに、樋口社長（内田朝雄）や南九州鉄道の専務（根上淳）といったキャラクターも登場し、ドラマに多様な色合いを加えました。子供キャストとして屋代峯夫を演じた文山陽平の存在や、桂三枝や范文雀といった名脇役も、作品を引き立てる要因となっています。

撮影と制作

撮影は大井川鉄道のC11 227号という実際の鉄道を使用して行われ、リアルな鉄道の魅力を活かす工夫もなされていました。また、本作の原作は城山三郎の著作「盲人重役」であり、副本として宮崎康平の「まぼろしの邪馬台国」の影響が強く現れています。脚本は佐々木守氏が手がけ、演出は林宏樹氏が行っています。

音楽

ドラマの主題歌には、クロード・チアリが作曲し演奏した『愛のエスペランサ』が使用されており、彼自身も最終回にゲスト出演するなど、作品における音楽の役割も重要でした。

このように『汽笛が響く!』は、鉄道をテーマにした人間ドラマとして、多くの要素で構成されており、視聴者にさまざまな試練と希望を与える試みがなされました。

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