宮崎康平

宮﨑 康平（みやざき こうへい）

概要

宮﨑 康平（1917年5月7日 - 1980年3月16日）は、日本の古代史研究家、作家、元会社役員です。彼は特に著作『まぼろしの邪馬台国』で知られ、日本中に邪馬台国論争を引き起こしました。知名度の高い彼は、晩年には視覚を失ってもなおその魅力的な業績を残し続けました。本名は宮崎懋（みやざきつとむ）で、失明後には「一章」と名乗ることになります。

生い立ち

長崎県島原市に生まれた宮﨑の家系は土建業に従事しており、江戸時代から続く歴史を持っています。彼は旧制早稲田大学文学部を卒業後、1940年に東宝に脚本家として入社します。しかし、兄の死去をきっかけに実家に戻り、1946年には宮崎組の後身の南旺土木の取締役社長に就任しました。

失明とその後の人生

1950年、昭和天皇の島原来訪に際し、鉄道の案内役を務める最中に過労が原因で失明しますが、彼はこの経験を乗り越え、島原鉄道の取締役としての役割を果たしました。この時期に、彼は妻が家を出た後、一人で子供の世話をしながら歌った子守唄が後に「島原の子守唄」として広まることになります。

古代史研究の道

1956年、再び島原鉄道の取締役に就任した後、1957年に発生した島原大水害の復旧に注力する中で、発掘された土器に強い興味を持ち、古代史の研究を本格的に始めることになります。その後、長年の調査をもとに1967年に発表された『まぼろしの邪馬台国』は、邪馬台国に関する討論を深化させる一冊として評価されました。この本は多くの人々の関心を集め、吉川英治文化賞も受賞しました。

家族と友人関係

宮﨑の人生は、家族との複雑な関係や多くの友人のおかげで色彩豊かさを増しました。先妻との間に子供を授かるも、離婚した後、和子と再婚し、彼女の支えを得て多くの活動を行いました。また、著名なシンガーソングライターであるさだまさしとの関係も深く、彼らの交友は音楽を通じて広がっていきました。

晩年と死

1980年、彼は62歳で脳出血により急逝しました。彼の死後も、作家としての業績や古代史研究における影響は色あせることなく語り継がれています。彼の戒名は天真院博道公平居士であり、島原市の本光寺に眠ります。

音楽と文化への貢献

宮﨑康平は、子守唄や地域の学校の校歌など、音楽活動にも影響を与えました。特に「島原の子守唄」は、彼の手によって歌詞が改めて書かれ、島倉千代子の歌唱で広まりました。

このように、宮﨑康平は多面的な才能と波瀾万丈の人生を持った人物であり、彼の業績は今も多くの人々に影響を与え続けています。

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