沈香閣

沈香閣（じんこうかく）

沈香閣は、中華人民共和国上海市黄浦区に位置する仏教寺院であり、中国国内でも最大級の規模を誇る尼寺として知られています。

歴史

沈香閣の創建は明代の万暦28年（1600年）に遡ると伝えられています。豫園を造営した明代の役人・潘允端が、川に浮かんでいた木彫りの観音像を祀るためにこの寺を建立したのが始まりとされています。

清代に入ると、康熙23年（1684年）に曹垂燦によって寺院殿堂が再建されました。さらに嘉慶6年（1801年）には、上海巡道李廷敬と知県湯燾が資金を募り、全面的な改修が行われました。この大改修後、「慈雲禅寺」と改名されました。1805年、潘允端の子孫が不動産を寄付して寺を拡張し、巡道鍾琦と知県蘇昌阿が人々を率いて殿堂を増築しました。嘉慶19年には、僧侶の振錫が資金を集めて大雄宝殿を修繕しました。道光29年（1849年）には、僧侶の清如が資金を集めて両廂楼を修築し、同治3年（1864年）には鶴軒を修築しました。

中華民国時代の1943年には、應慈法師が住職となりました。

1956年、地元政府は寺院を修復しました。1959年5月26日、上海市人民政府は沈香閣を上海市文物保護単位に認定しました。しかし、1966年に毛沢東が文化大革命を発動すると、寺院の不動産は工場に収用され、宗教活動は中止に追い込まれました。

1983年、中華人民共和国国務院は沈香閣を漢族地区仏教全国重点寺院に認定しました。1987年9月には、上海市仏教協会会長の真禅が應慈法師紀念堂を建立しました。1989年9月、上海市仏教協会副会長であり、慈修庵の住職である観性法師が資金を募り、全面的な再建を行い、明清時代の寺院の風格を回復させました。中国仏教協会会長の趙朴初からは「南海宝筏飛渡沈香観音大士閣」の額が贈られました。1992年10月15日には、仏像開眼式が行われました。1996年11月20日、国務院は沈香閣を全国重点文物保護単位に認定しました。

伽藍

沈香閣の主要な伽藍は以下の通りです。

牌楼
天王殿
大雄宝殿（本堂）
観音閣

主な住僧

振錫
清如
應慈法師
定慧法師

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