沖縄アリーナ

沖縄アリーナは、沖縄県沖縄市のコザ運動公園（沖縄市総合運動場）内に立地する、大規模な多目的アリーナです。かつて闘牛場があったこの場所に、全天候型で約1万人を収容できる施設として建設されました。

概要

アリーナ建設の計画地は、2017年に閉場した闘牛場の跡地でした。この地に、スポーツ興行はもちろん、コンサートや展示会など多岐にわたるイベントに対応可能な、県内初となる大規模な全天候型アリーナ整備が進められました。概算事業費は当初約158.57億円とされましたが、その後の変更を経て約162.3億円となっています。この事業費には、本体工事費約135.72億円や、外構・駐車場整備などを含むその他工事費約22.85億円が含まれます。経済効果については、建設時で約267億円、単年度運用時で約133億円という試算があり、地域の活性化に寄与することが期待されています。特にB.LEAGUEの琉球ゴールデンキングスのホームアリーナとして活用されることを中心に、バスや駐車場などの交通インフラ整備や、周辺の宿泊・飲食業との連携による経済波及効果の最大化を目指しています。また、災害時には防災拠点としての役割も担う重要な施設です。

施設詳細

構造

建物は地上5階建てで、鉄筋コンクリート造および一部鉄骨造、延べ面積は約26,200平方メートルです。屋根は67mのボックストラスを柱と別のトラスで支持する構造を採用し、軽量化を図りつつ、特殊照明や総重量30トンに及ぶ大型映像装置などの演出設備を設置できる設計となっています。

メインアリーナ

メインアリーナは、可動席を収納した状態で最長48.35m×61.35mの広さを持ち、約2,600平方メートルの八角形の空間を確保できます。床面はコンクリート仕上げで、県内施設では最大規模の床面積を誇ります。アリーナ天井からは510インチ（幅11.25m、高さ6.25m、奥行5.5m）の大型映像装置が吊り下げられており、イベント演出に幅広く活用可能です。加えて、全長約228mのリボンビジョンや、縦型ビジョンも2箇所に設置されています。照明設備は、国際バスケットボール連盟の基準を満たす仕様です。

座席

多種多様なイベントと観戦体験の向上を念頭に設計されており、観客からの近さや視点にこだわっています。八角形の外形と、すり鉢状に配置されたスタンド席が特徴的です。特別席として、3階には「スイートルーム」やテーブル付きの「テーブルシート」が、4階には「シアターシート」が設けられています。5階には、アリーナ内部と外部を見渡せる「パノラマラウンジ」があります。その他、子供向けの遊び場「ファミリーコンコース」や、各階（1階、3階、4階、5階）に配置された「ロビー&ラウンジ」など、観戦以外の滞在空間も充実しています。

付帯施設

アリーナのビルディングゾーンには、琉球ゴールデンキングスの公式グッズなどを扱う「沖縄アリーナショップ」（2021年4月オープン）や、チームの歴史やアリーナの魅力を体験できる「沖縄アリーナカフェ」（2023年5月オープン）があります。このほか、床面積約860平方メートルのサブアリーナやコンコースも配置されており、これらを含めたアリーナ全体が、災害発生時には県の広域物資拠点（一次拠点）としての役割を果たす体制が整えられています。

沿革

アリーナ建設の構想は、2016年9月の全体計画調査報告書公表に始まります。当初は2020年度の開業を目指していましたが、2018年9月の着工後、建設地の廃棄物混じり土や六価クロム検出、さらには台風の影響による資材搬入遅延などにより工期が延長されました。これにより、2021年に予定されていたB.LEAGUE ALL-STAR GAMEは2022年に延期されました。一方で、2020年5月には2023年のFIBAバスケットボール・ワールドカップの会場に決定。工事はその後進み、2021年3月に完成しました。完成後の2021年4月からはプレオープニングイベントとして琉球ゴールデンキングスのホームゲームなどが開催され、同年6月より本格稼働を開始しました。2023年夏には念願のFIBAワールドカップが開催され、2024年には延期されていたB.LEAGUE ALL STAR GAME WEEKENDが開催されるなど、大規模イベントの実績を重ねています。アリーナの指定管理者は、運営会社の沖縄アリーナ株式会社が務めており、2024年11月には2025年4月以降の新たな管理期間（2030年3月まで）の契約が決定しました。

施設命名権

2024年12月25日、沖縄市は沖縄サントリー株式会社との間で施設命名権（ネーミングライツ）契約を締結しました。これにより、2025年2月1日から施設の愛称が「沖縄サントリーアリーナ」に変更されました。契約期間は2028年1月31日までの約3年間で、契約料は年額5,000万円と発表されています。

使用チーム

琉球ゴールデンキングス（B.LEAGUE）
琉球アスティーダ（Tリーグ）

主な開催実績

スポーツ

2023年FIBAバスケットボール・ワールドカップ（1次・2次・順位決定ラウンド）
総合格闘技 RIZIN
B.LEAGUE ALL STAR GAME WEEKEND 2024 IN OKINAWA
大相撲沖縄場所
大樹生命Wリーグ 2024-25

イベント・音楽ライブ

あいみょん
B'z
小田和正
ケツメイシ
乃木坂46
DREAMS COME TRUE
back number
サザンオールスターズ
星野源
THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th ANNIVERSARY TOUR
オキナワモーターショー
OKINAWA COLLECTION
サンリオキャラクターフェス
ONE MONTH TO GO FESTIVAL IN OKINAWA
日米音楽交流合同コンサート

これらの実績に加え、今後も様々なイベントが開催される予定であり、沖縄県におけるエンターテインメントと地域経済の拠点として重要な役割を担っています。

参考資料：沖縄アリーナ公式サイト、関連ニュースリリース等

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