沖縄宇宙通信所

沖縄宇宙通信所（Okinawa Tracking and Communication Station, OTCS）は、沖縄県国頭郡恩納村に所在する国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構（JAXA）の施設です。この施設は、人工衛星の追跡と管制を主な業務としており、日本の宇宙開発において重要な役割を担っています。

概要

沖縄宇宙通信所の歴史は、1968年2月に科学技術庁宇宙開発推進本部の沖縄電波追跡所として発足したことに始まります。その後、1969年10月に宇宙開発事業団（NASDA）が発足すると、その一施設となり、2003年10月にはNASDAを含む3機関の統合により、JAXAの施設となりました。

この通信所の主な役割は、打ち上げられた人工衛星からの電波を受信し、衛星の軌道、位置、姿勢、そして搭載されている電子機器が正常に作動しているかどうかを監視することです。受信したデータは筑波宇宙センターに送信され、そこで詳細な分析が行われます。また、必要に応じて衛星に対してコマンド電波を送信し、衛星の制御を行います。

沖縄宇宙通信所は、一般の人々にも開放されており、入館料は無料です。展示室では、宇宙開発に関する様々な展示を見学することができます。特に、毎年「科学技術週間」と「宇宙の日」には、施設の特別一般公開が実施され、多くの人々が訪れます。2023年3月には、JAXAとの共催で、小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」から採取した試料や、同探査機の原寸大模型の展示が行われ、大きな話題となりました。

総敷地面積は約6.0万平方メートルと広大で、敷地内には包括的核実験禁止条約の大気放射性核種観測施設(RN37)も設置されています。これは、国際的な核実験監視活動にも貢献していることを示しています。

設備

沖縄宇宙通信所には、以下の様な主要な設備があります。

追跡管制棟
USB（F）-1送信棟
コリメーション設備
沖縄第1可搬局
沖縄第2可搬局
WINDSビーコン局
準天頂衛星追跡管制局沖縄1、2

これらの設備を用いて、以下の様な人工衛星の追跡と管制を行っています。

技術試験衛星VIII型「きく8号」（ETS-VIII）
超高速インターネット衛星「きずな」（WINDS）
陸域観測技術衛星2号「だいち2号」（ALOS-2）
水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W）
温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」（GOSAT）
惑星分光観測衛星「ひさき」（SPRINT-A）
準天頂衛星初号機「みちびき」（QZS-1）

これらの衛星は、通信、地球観測、科学研究など、様々な目的で活用されており、沖縄宇宙通信所はこれらの衛星の運用を支える重要な拠点となっています。

所在地

沖縄宇宙通信所の所在地は、沖縄県国頭郡恩納村字安富祖金良原1712です。

参考文献

沖縄宇宙通信所 - JAXA
追跡ネットワーク技術センター - JAXA

これらのリンクから、沖縄宇宙通信所の詳細な情報や、JAXAの他の施設に関する情報を得ることができます。

もう一度検索