沖縄県立翔南高等学校

沖縄県立翔南高等学校（おきなわけんりつしょうなんこうとうがっこう）は、かつて沖縄県の宮古島市に設置されていた県立高等学校です。長年にわたり地域の教育を担いましたが、高校再編計画に基づき、2008年4月に沖縄県立宮古農林高等学校と統合され、新たに沖縄県立宮古総合実業高等学校が設立されました。その後、本校に在籍していた生徒たちが卒業を迎える2010年3月をもって、翔南高等学校は閉校となり、その歴史に幕を下ろしました。

沿革

本校の起源は、戦後間もない時期に遡ります。1946年4月1日、宮古群島政府立宮古中学校に、海洋分野の教育を目的とした海洋科が設置されたのが始まりです。これは、島嶼地域である宮古における水産業の重要性を鑑みたものでした。翌1947年4月1日には、学校組織の変更に伴い、宮古群島政府立宮古高等学校の海洋部となりました。

1948年7月31日には、当時の学制改革の流れの中で独立を果たし、宮古群島政府立宮古水産高等学校として新たな一歩を踏み出します。水産教育の専門学校としての体制を整え、地域の水産業を支える人材育成に力を注ぎました。1952年4月1日には、学校の管轄が琉球政府に移され、琉球政府立宮古水産高等学校と改称されました。この時代も、沖縄が本土復帰を果たすまで、琉球政府の管轄のもとで教育活動が続けられました。

そして1972年5月15日、沖縄の本土復帰という歴史的な出来事を経て、学校の名称は沖縄県立宮古水産高等学校に変更されました。県立高校として、引き続き水産分野における専門教育を提供しました。

大きな転換期を迎えたのは1992年4月1日です。この日、沖縄県立宮古高等学校に設置されていた商業科が本校に移転統合されました。これにより、水産・海洋分野に加え、商業分野の教育も行う実業高校としての性格を強めることとなりました。この組織再編に合わせて、校名も沖縄県立翔南高等学校と改称されました。「翔南」という新しい名前のもと、総合的な実業教育を提供する学校として、地域社会に貢献しました。

しかし、沖縄県における県立高校の再編計画が進められる中で、本校もその対象となります。2008年4月1日、沖縄県立宮古農林高等学校と統合され、職業教育の新たな拠点として沖縄県立宮古総合実業高等学校が発足しました。新設校への移行期間を経て、本校は在校生の卒業を見届けた後、2010年3月2日に行われた閉校式をもって、60年以上にわたる歴史に終止符を打ちました。

設置学科

閉校時までに設置されていた学科は、全日制課程として以下の3学科でした。

海洋科学科: 水産・海洋分野に関する専門知識や技術を学ぶ学科です。
食品科学科: 食品の製造や加工、安全管理などについて学ぶ学科です。
商業科: 簿記、情報処理、経済など、商業に関する知識・技術を学ぶ学科です。

これらの学科を通じて、生徒たちはそれぞれの専門分野で活躍するための基礎を培いました。

主な出身者

スポーツ分野などで活躍する著名人を輩出しています。

友利 勝良: プロゴルファーとして、国内ツアーで活躍しました。
* 川満 寿史: バスケットボール選手として、プロリーグで活躍しました。

翔南高等学校は閉校しましたが、その歴史と伝統は、統合先の沖縄県立宮古総合実業高等学校や、多くの卒業生の記憶の中に受け継がれています。

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