琉球政府

琉球政府の歴史と構造

琉球政府（りゅうきゅうせいふ）は、1952年から1972年まで沖縄本島を中心に存在した統治機構です。この期間、琉球政府はアメリカ合衆国の施政下にあり、沖縄の政治的、経済的な側面に重要な役割を果たしました。沖縄は1945年、第二次世界大戦の沖縄戦の結果、大きな変革を迎えました。

背景

1945年8月、共和命令によって沖縄諮詢会が設立され、沖縄の行政が米軍の管理下に置かれることとなりました。この時期、県庁が消滅し、沖縄は新たな行政機構のもとで統治されることになりました。1946年には沖縄民政府が設立され、さらには宮古民政府や八重山民政府が続きます。これらの施設はすべて、アメリカ軍による指揮の下で運営されました。

1947年には宮古諸島や八重山諸島においてもそれぞれ独立した管理体制が確立され、1950年には沖縄群島政府、宮古群島政府、八重山群島政府、奄美群島政府が設立されます。これにより、従来の県庁とは異なる新たな行政の枠組みが生まれました。

琉球政府の設立

1945年から1952年の間に、立院で民選の知事が選出されることは重要な進展でしたが、アメリカの強い影響力は変わりませんでした。これが背景となり、1952年にアメリカ政府は琉球政府を設立します。この新たな政府において、行政主席（Chief Executive）が行政府の長となり、米国民政府の支配を受けつつも、一定の自治を持っていました。

琉球政府は、民裁判所、立法院、行政府という三権を有し, 形式上は独立していましたが、実際には米国民政府が琉球政府の施策を否決する権限を持っていました。そして、立法院の議員は民選であるため、一定の反米的な決議も行われました。

沖縄の復帰運動

琉球政府の存在の中で特に注目されるのは、沖縄の本土復帰運動です。民衆の中では、沖縄を日本に戻すべきという声が高まっており、この復帰運動は琉球政府と立法院の意向とは異なる動きとなります。これに対抗してアメリカは選挙干渉やゲリマンダーを行い、その中でも民衆のニーズには背を向ける形で琉球をコントロールしようとしました。

時系列のポイント

• - 1945年8月20日: 沖縄諮詢会が設立。
• - 1946年4月24日: 沖縄民政府設立。
• - 1951年4月1日: 琉球臨時中央政府が設立され、四つの群島政府の権限が大きく制限される。
• - 1952年4月1日: 琉球政府が正式に発足。
• - 1972年5月14日: 沖縄県の日本への返還により、琉球政府は消滅。

琉球政府の限られた自主性の中、民衆は琉球と日本の関わりについての議論を重ね、その結果として沖縄県が日本に復帰する道を切り開きました。このように、琉球政府は沖縄の歴史において重要な役割を果たしました。

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