沖縄製糖

沖縄製糖株式会社について

沖縄製糖株式会社は、沖縄県那覇市に本社を置き、宮古島市に製糖工場を有する製糖会社です。正式な商号は旧字体の「繩」を用いた沖繩製糖株式会社ですが、一般的には沖縄製糖株式会社として知られています。

歴史的背景

沖縄県における製糖会社の歴史は複雑で、沖縄製糖という名称を冠した企業は過去に4社存在しました。これらの企業は、1913年に台湾で設立された台南製糖に起源を持ち、現在の沖縄製糖もその流れを汲んでいます。以下に、各時代の沖縄製糖の歴史を詳細に解説します。

沖縄製糖（初代）と沖台拓殖製糖

1909年（明治42年）1月: 沖縄県臨時糖業改良事務局の西原工場が操業を開始しました。
1910年（明治43年）: 沖縄製糖株式会社（初代）が設立されました。
1911年（明治44年）: 嘉手納工場が竣工しました。
1912年（明治45年/大正元年）:
1月、嘉手納工場が操業を開始。
西原工場の払い下げを受けました。
台湾に進出し、沖台拓殖製糖株式会社に改称しました。
1915年（大正4年）: 豊見城工場を新設しました。
1917年（大正6年）12月: 台南製糖に合併されました。

沖縄製糖（2代）

1916年（大正5年）8月: 沖縄製糖株式会社（2代）が設立されました。
1917年（大正6年）:
2月、高嶺工場が竣工（翌1918年（大正7年）1月に操業開始）。
2月、宜野湾工場が竣工しました。
6月、台南製糖に合併されました。

台南製糖と沖縄製糖（3代）

1913年（大正2年）2月: 台湾にて台南製糖株式会社が設立されました。
1917年（大正6年）:
6月、沖縄製糖（2代）を合併。
12月、沖台拓殖製糖を合併しました。
1919年（大正8年）: 東洋製糖から宮古工場の設置権の譲渡を受けました。
1921年（大正10年）: 宮古工場を建設しました。
1922年（大正11年）4月: 宜野湾工場が嘉手納工場に合併されました。
1923年（大正12年）2月: 宮古工場が操業を開始しました。
1927年（昭和2年）: 台湾の事業を分離し、昭和製糖株式会社としました。
1929年（昭和4年）9月: 豊見城工場が宮古工場に合併されました。
1932年（昭和7年）: 沖縄製糖株式会社（3代）に改称しました。

1945年の終戦直前の時点では、沖縄本島に3工場（嘉手納・西原・高嶺）、宮古島に1工場を有していました。

沖縄製糖（4代）

1952年（昭和27年）9月12日: 資本金17万5,000ドルで沖縄製糖株式会社（4代）が設立されました。社長であった鳥井信治郎が経営から撤退したため、同社支配人であった竹野寛才（竹野一郎の父）が経営を引継ぎ社長に就任しました。
1953年（昭和28年）3月25日: 宮古工場が操業を開始しました。
1960年（昭和35年）6月: 宮古工場の処理能力を1日あたり250トンから500トンに増強しました。
1962年（昭和37年）10月: 宮古工場の処理製糖能力を1日あたり500トンから1,000トンに増強しました。
1982年（昭和57年）11月: 株式分割により額面152.5円を50円に変更しました。

宮古工場の特徴

宮古島市にある宮古工場は、沖縄製糖の主要な製糖工場です。所在地は沖縄県宮古島市下地字上地725です。この工場では、サトウキビを原料とした製糖が行われています。また、宮古島では、島内の他の製糖工場と共に石油卸会社りゅうせきと共同で、サトウキビの精製過程で出る廃糖蜜から自動車用エタノール燃料を作る取り組みを行っています。この取り組みは、地域資源の有効活用と環境負荷の低減に貢献しています。

その他の情報

沖縄製糖株式会社は、旧沖縄製糖株式会社小作人訴訟という過去の歴史に関わる訴訟も経験しています。これは、同社の歴史を語る上で重要な一面です。

参考文献

* 佐野眞一 『沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史 』 集英社インターナショナル、2008年。ISBN 4797671858

この参考文献は、沖縄の戦後史を詳しく解説しており、沖縄製糖の歴史的背景を理解する上で役立つでしょう。

もう一度検索