河内 (戦艦)

河内（かわち/かはち）

河内は、日本海軍に所属していた戦艦で、その艦名は幕末期の汽船「河内丸」から引き継がれています。また、この艦名は「河内国」に由来しています。河内型戦艦の1番艦であり、同型艦には「摂津」があります。日本海軍が初めて保有した弩級戦艦としても知られ、当艦には楠木正成の像が長官公室に飾られていました。しかし、1918年7月12日に火薬庫の爆発事故が起き、河内は沈没しました。

艦型

河内は薩摩型戦艦の安芸を基にした拡大発展型で、30cm（12インチ）連装砲塔を6基装備していましたが、すべての砲塔が船体の中心には配置されていなかったため、片舷に向ける主砲は最大で8門という形になっていました。さらに、当時の予算や東郷平八郎の意見などの影響を受けて、艦の前後には50口径12インチ連装砲塔を設け、中央部には45口径12インチ連装砲塔を使うことにしました。

摂津との識別点として、河内は直線型の艦首を持ち、摂津の艦首はクリッパー型という違いがありました。また、主機に使用されたカーチス式タービンは川崎造船所で製造され、安芸よりも機関部を強化することで約1,000馬力の増加を実現しました。この結果、排水量は1,000～1,500トン増加しましたが、速力の維持には成功しました。

艦歴

河内は日露戦争直後の明治40年度に建造され始め、最初の計画名称は伊号戦艦でした。1909年2月12日に部内限りで河内に名前が決まり、4月1日には横須賀海軍工廠で起工されました。1910年10月15日には進水し、この時には明治天皇が関与していました。1912年3月31日に竣工し、海軍に引き渡されました。

その後、河内は第一艦隊に編入され、1912年には香取から艦旗を引き継ぎました。大正元年には、大正天皇皇太子の訪問を受け、さまざまな艦隊活動に参加しました。大正2年には探照灯の装備実験が行われ、その後も活動を続けましたが、1914年には第一次世界大戦の参戦に伴い、艦隊活動が活発化しました。

喪失

しかし、1918年7月12日、徳山湾での悪天候下において、火薬庫の爆発が起き、艦は即座に沈没しました。387名もの乗員が犠牲となり、その後の救助作業が行われたものの、艦の復旧は断念され、9月21日に除籍されました。慰霊碑も建立され、記憶に留められました。河内の影響は現代でも続いており、毎年行われる法要や慰霊祭はその証です。

もう一度検索